あなたのおかげで。 (ページ26)

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A side

ﾊﾟﾝｯ!!

ピストルの音が聞こえて選手が一斉に走り出す。

竹石「始まったな。」

「ですね」

3キロ通過。
特に遅れる選手もおらず、橋詰さんもずっと集団の後ろについている。

「出雲とおなじ。」

竹石「ん？」

「あ、いや。」

……………

徐々に遅れる選手が出てきた。

でも、橋詰さんはしっかり先頭について行ってる。

「いける。いける。」

自分を落ち着かせるという意味でもいける。を繰り返す。

ラスト1キロ。東洋の西山さんが先頭で走る。

でも、それに橋詰さんもしっかりついてる。

そして、3位で2区の梶谷さんへとタスキリレー

「すごい！3位です！」

竹石「すごいよ。橋詰さん」

2区

梶谷さん最初は良かったけど、後ろに追いつかれて集団に。

そこからペースが上がらずどんどん順位が落ちていく。

「がんばれ…」

竹石さんは特に話さずストレッチをしている。

緊張してるのかな？

それから梶谷さんは苦しい走りが続いて8位で中継所へ。

３区を走るのはキャプテンの森田さん。

8位でもらったはずのタスキがいつの間にか4位へ。

「やっぱりすごいなぁ。」

ふと走りたい願望が蘇ってくるけど、今はそんなことを考えている場合ではない。

それから少し竹石さんの元を離れて帰ってくると

竹石「神﨑!!森田さんがトップに立った！」

「え！！」

急いで映像を見ると、東洋の吉川さんを抜いてトップを走っていた。

僅差ではあったが、トップで４区の岩見さんへ

でも、まだまだ安心できない。

東洋大学の4区は大エースの相澤さん。

4区

3キロ手前で首位交代

東洋の相澤さんが岩見さんを抜かした。

岩見さんもついていけず、どんどん差が開いていく。

少し動きが硬い気もする。

東海大にも抜かれ、3位に。

「岩見さん、、」

竹石「大丈夫、俺が取り返す。」

なぜか、その言葉にはすごく安心感があった。

岩見さんは3位でタスキリレー。

トップとは3分以上離されてしまった。