愛も呪いも同じもの。 (ページ2)

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憧れの人<王国騎士ジェイ> ページ2

ああ、好きだなあ。
Aさんはカムラの里から来た、物凄く強くて凄い人なんです。
俺なんかじゃまだまだ足元にも及ばないくらい...
大袈裟なんて思うでしょ？いやいや、
あの人はおとぎ話の悪魔まで討伐しちゃったんです。

凄すぎて、同じ人間なのか怪しいレベルなんですけど...
俺もまだまだですね！今日も元気にトレーニングしてがんばってAさんに追いつきます！

...でも。そんなに強い人だから、エルガドの人にもカムラの人にも、それ以外の人にだって人気で。
最近ほかの人たちとばかり狩猟に行くから、俺と一緒に行くことがなくて。
...どんどん距離が離れていく。

今だってほら、あんなにウツシ教官と楽しそうに話しちゃって。俺の事なんてまるで視界に入ってない。

俺と話してる時はあんな顔しないのになあ。
あの人のもっと色んな顔を見たい、俺だけにしか見せない顔を見たいんです。
...あ、そうだ。

＜それからというもの、Aの身の回りには不幸が相次いだ。段々親しい者は消え、頼れるのはジェイ位だ。＞
「Aさん、大丈夫ですか....？辛いですよね。俺がついてますから、安心してください...」

そう、その顔なんですよ！その縋るような表情、俺にしか見せない顔だ。

これからもずっとそばに居てあげるから、もっと色んな顔を見せてくださいね、俺の、俺だけの『憧れの人』