好きだと思ったその日から【緑&紫】 (ページ8)

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▽勇気を出してページ8

貴方side

次の週、心理学の授業後。

すぐ教室を出てしまう神山くんに慌てて声をかけて、呼び止める。

『あの…今、ちょっといいですか？』

自分でもびっくりするくらい緊張してる。

神「ん？…ま、ええけど。なに？」

いつも通りのつっけんどんな返し。

『あの、……』

このテンパり具合でもう勘付かれてるんじゃ…

『私、その、神山くんが好きで…あの初めて話した日から？

その、一目惚れっていうか、

迷惑じゃなければ、あの』

神「田中、やっけ」

『は、はい』

神「ありがたいけど、彼女はいらん。

それと、俺が好きなんやったらもっとちゃんと知っとけや。

この後すぐバイト。忙しいねん」

口の端をニヤッとあげて私の前から消えていった。

さっきまでの緊張がゆるんで、ふらっといきそうになる。

ふ、フラれたのかな…？

たった今神山くんに言われた言葉を頭の中で反芻してみる。

フラれたはずなのに、

なぜかあんまり悲しくない。

まっすぐ私を見つめて聞いてくれた神山くんの顔が蘇る。

『はぁ………。かっこいい………』

どうやら私は重症みたいだ。