好きだと思ったその日から【緑&紫】 (ページ16)

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▽意識ページ16

貴方side

濵ちゃんの言ったことを考えてたら、さすがの私でも昨日はあまり眠れなかった。

濵ちゃんと並んで受ける授業も、無性に緊張する。

いつもどうしてたっけ。

どうやって濵ちゃんを見て、

何を話してたんだろう。

いつもみたいに前にプリントを取りに行ってくれる濵ちゃん。

濵「ほいっ」

『ありがと』

一言一言が、無駄に気になる。

ただの優しい濵ちゃん、

私を甘やかしてくれる濵ちゃん、なはずなのに

その優しさにドキドキしている自分がいた。

濵「ふはっ、そんな難しい顔すんなや」

考えすぎて眉間にしわを寄せてる私の顔を見て笑う。

濵「ごめんな、この前ので悩ませてるねんな」

ヘラッと笑いながら、またもやサラッと触れてくる濵ちゃん。

『そ、そう、あれってさ、…』

濵「いや、ちゃんと本気やねんで？笑

でも、Aが神山好きなんは知っとるし。

その、気にせんといて」

いつも見る笑顔だけどちょっぴり寂しそうな感じ。

『そっか……うん、ありがと』

濵「今日もこれからあいつと授業一緒なんやろ？会ってきや！」

『うん…会ってくるね』

濵ちゃんは何事も無かったかのように神山くんとの恋を応援してくれる。

後ろめたさを感じながらも、神山くんに会える嬉しさも徐々に募り始める。

『じゃあね』

濵「おう、行ってら」

授業後、笑顔で手を振って送り出してくれる濵ちゃん。

濵ちゃんの考えてることが分からない。

今までこんな近くにいて

なんで気持ちに気づかなかったんだろう。

言われてみれば、濵ちゃんがいつも私にしてくれていること

単なる優しさだと思っていたことも

…私を好きだったから、だとしたら。

そう思うと恥ずかしくてかぁーっと顔が熱くなる。

頭の中の思考を振り払うように、神山くんとの待ち合わせ場所へ走った。