好きだと思ったその日から【緑&紫】 (ページ11)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:10,387 hit

▽遭遇ページ11

貴方side

その日の帰りも、なんとなく寂しかったから濵ちゃんと一緒に帰った。

濵「A、電車反対やろ？」

『うん、でもなるべく濵ちゃんといたい』

濵「どしたん？フラれて一応ショックはあるん？笑」

『そりゃ、あるよ』

浮かない顔をする私とは裏腹に、笑顔になっていく濵ちゃん。

濵「あ、そや！フラれたら俺が気晴らししたるんやったわ！

どこいく？カラオケ行きたい？」

『え、いいの？』

素直に嬉しい。

『カラオケか…最近行ってないな。

あ、まさか密室に連れ込んで変なこと考えてないよね？』

濵「は、はあ！？アホかお前！

お前なんか襲う気にもならへんわ！」

側から見たらバカップルなんだろうか、

騒ぎながら歩いていると、後ろから聞き覚えのある声がした。

神「田中？」

『か、神山くん…』

濵「このひと…？」

神「お前、彼氏おるん？」

『え、いや違うよ？』

濵ちゃんをちらっと一瞥して淡々と話す神山くん。

神「そっ。じゃな」

振り返らずに手だけ振ってあっという間に歩いていってしまった。

おそるおそる濵ちゃんの顔を見上げる。

濵「今の、神山？」

『うん』

濵「例の、神山？」

『うん』

濵「お前を今日振った神山？」

『うん』

濵「…よう話しかけられんな」

なんとも言えない絶妙な表情をする濵ちゃん。

『落ち込んでないと思われちゃったかな…

私普通に、フラれて悲しんでるのに』

濵「まああんだけデカい声で俺と言い合いしてりゃ、そうは思わんな」

『そんな～～(泣)』

濵「一つ思ってんけどさ、」

『なに？』

濵「…あいつ、かっこええな」

『え？？』

濵「男の俺から見ても、って意味」

ニヤニヤする濵ちゃんに今度はイライラする。

『なに言ってんの！

はい、カラオケ行くよ！5時間ね！全部奢りで！！』

濵「はぁ？マジかよ…」

割と本気でうんざりする濵ちゃんの手をグイグイ引っ張って歩き出した。