三十一話 ページ33
上へ着くと、眩しさに思わず両目を閉じた
ゆっくり開けると、重たい雲の隙間から、暖かな光が零れていた
岩融「こ、れは」
加州「驚くのも無理ないよね、もうずっと前から青空なんて見てなかったから…俺も、久しぶりに見た」
加州は僕の方を見て小さく微笑んだ
加州「主が来てくれたから、この本丸は青空を見せてくれた」
"ありがとう"
そう言った加州の頬を、一筋の涙が滑り落ちていった
岩融「俺からも礼を言わせてくれ、主よ、今剣を救ってくれた事、必ず助けると言ってくれた事、何と言えば良いのか…真に嬉しき言葉の数々…感謝する」
唐突に言われた感謝の言葉に、何も言えないでいると、袖で目元を拭った加州が嬉しそうに笑った
「さ！行こ主！」
『はい』
廊下に出た瞬間、誰かが抱きついてきた
バランスを崩し、少しだけよろける
抱きついてきたその姿を見て驚いた
乱「…ほんとうだったんだね」
『乱…？』
乱「治すとか、嘘かと思ってた、審神者は嘘つきだって…でも、君は違った、手入れ部屋に入って分かった…ありがとう、主さん」
そう言ってふわりと笑う乱
先程の殺気は微塵も感じられない
怪我もない、綺麗な服を纏う姿は、元気な少年そのものだった
こんな少年をあんな風に変えてしまう審神者に、心底苛立った
長谷部「審神者、大和守を救ってくれた事、感謝する、蔵のものも広間に集めた」
そう言い、僕の前で止まった長谷部
長谷部「顕現を解いてくれ」
『その前に、僕を蔵へ連れていってください』
加州「？どうして」
『…確認したい事があるんです』
乱「じゃあ僕が案内するよ！みんなは先に広間へ行ってて」
長谷部の顔が少しだけ歪んだ
長谷部「だが」
『岩融と加州と一緒に手入れ部屋へ行ってもらえませんか、長谷部』
長谷部「…ああ」
流石に大柄な岩融を、加州だけで付き添うのは難しいと、悟ってくれたようだ
加州「じゃあ先行ってるよ、主」
長谷部は岩融の片側を支え、僕の方を見て、小さくお辞儀をした後、加州と一緒に広間へ向かった
乱「こっちだよ、主！」
乱に腕を引かれ、廊下を歩いていく
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帰蝶(プロフ) - 続きが気になります!!!次の更新を楽しみに待ってます!!!これからも応援しています!!! (2017年7月5日 1時) (
レス) id: 07fa8ea693 (このIDを非表示/違反報告)
橙蝶 血暗(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます！更新の通知が来るたびにワクワクして読んでます！頑張ってください！ (2017年3月28日 8時) (レス) id: c5dce0cdd3 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬 - 続きキターーー!!!!ありがとうございますっ！ (2017年2月13日 20時) (レス) id: e4d207fc48 (このIDを非表示/違反報告)
ちー - すごく嬉しいです。忙しいのにありがとうございます！今から読みますー！ (2017年2月13日 7時) (レス) id: 949c742c81 (このIDを非表示/違反報告)
弥琴(プロフ) - ちーさん» ごめんなさい！更新しました！わ、ありがとうございますっ！(´；ω；｀) (2017年2月12日 23時) (レス) id: ca6c0e4a85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥琴 x他1人 | 作成日時：2016年12月28日 18時
