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二十五話 ページ26

小夜左文字を抱きしめ、その冷たさを直に味わいながら目を瞑る

「...よ」

「小夜、こんな所で眠っていると風邪を引きますよ」

知らない声が近くで聞こえて閉じていた瞳をゆっくり開ける

『此処は...?』

さっきまでの地下の冷たさはなく、地上にいた
空模様は曇り、雨が降り出しそうな天気
嫌な気が満たしている事から此処があの本丸だと分かる

「う...ん、宗三兄様?」

さっきとは違う声が聞こえた
声のした方を見る

『小夜、左文字?』

眠たそうに目を擦る小夜左文字がそこに居た
傷は付いているけど、堕ちてはいないようだ

宗三「さあ、部屋に戻りましょう」

小夜「でも、江雪兄様が...」

宗三「?...江雪兄様がどうかしたのですか?」

小夜「審神者に連れてかれて...」

宗三「そう、でしたか...じゃあ小夜は此処で江雪兄様を待っていたのですね」

小夜左文字が頷く
小夜と宗三と此処にいない江雪は兄弟らしい

長谷部「...っ」

宗三「長谷部」

廊下の向こうから歩いてきた長谷部が二振りを見て立ち止まる

小夜「長谷部、江雪兄様は?」

長谷部「そ、それは...」

宗三「その手に持っているものは?」

長谷部の肩が大きく揺れる

宗三「!?まさか」

宗三が思い切り立ち上がり、長谷部から布に包まれたものを取ろうとする
ーーが

長谷部「っ触るな!」

ばっと長谷部が宗三から距離を取る

その時に、ちらっと刀が見えた
宗三の顔が険しくなる
自身の刀の柄に手を掛ける

小夜「に、兄様?」

小夜には見えていなかったらしく慌てた様子

宗三「あの審神者の所業を貴方は止めなかったのですか!?」

長谷部「っ...」

ふいっと目線をそらす長谷部の姿を見て、宗三が躍りかかる

長谷部「なっ」

宗三「貴方は、自分が何をしたのか分かっているのですか!!!」

長谷部は迫った刃を避け、江雪左文字を下に置き、自身の刀を出した

長谷部「ああ、それがあの人の頼みだ」

宗三「っ...ふざけているのですか!?」

刀を構え直し、長谷部に向かっていく宗三

止めようと二振りの所に行こうと地を蹴った

『えっ』

刀を掴もうとした時、掴むことが出来ず自分の体が通り抜けた

すぐに体制を整え
二振りの方を見ると、刀がぶつかり合っている

『透けた?...もしかして...此処は、小夜左文字の記憶の中...?』

小夜左文字の方を見ると動けないようだった
ただ呆然と目の前で繰り広げられている光景を見つめていた

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帰蝶(プロフ) - 続きが気になります!!!次の更新を楽しみに待ってます!!!これからも応援しています!!! (2017年7月5日 1時) (レス) id: 07fa8ea693 (このIDを非表示/違反報告)
橙蝶 血暗(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます!更新の通知が来るたびにワクワクして読んでます!頑張ってください! (2017年3月28日 8時) (レス) id: c5dce0cdd3 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬 - 続きキターーー!!!!ありがとうございますっ! (2017年2月13日 20時) (レス) id: e4d207fc48 (このIDを非表示/違反報告)
ちー - すごく嬉しいです。忙しいのにありがとうございます!今から読みますー! (2017年2月13日 7時) (レス) id: 949c742c81 (このIDを非表示/違反報告)
弥琴(プロフ) - ちーさん» ごめんなさい!更新しました!わ、ありがとうございますっ!(´;ω;`) (2017年2月12日 23時) (レス) id: ca6c0e4a85 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:弥琴 x他1人 | 作成日時:2016年12月28日 18時

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