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壱．旅の最中 ページ1
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日本、沖縄。
南側に位置してしながら冬らしく気温の低い観光地を、のんびりと歩く青年がいた。
現代では珍しい和服姿の、薄い笑みを浮かべている彼は、手元に土産屋の物らしい紙袋を幾つか提げていた。
「んー、良い物が結構あったなあ……。これなら、澄凪も喜んでくれるかなあ」
土産を渡す相手の反応を思えば、彼が笑顔になるのも当然であるかもしれない。何せ、彼の命の恩人とも言える存在だ。心から崇敬する相手の喜ぶ姿は、青年としても嬉しいものだ。
飛行機よりも船が良いだろうか、と笑顔なまま気分でフェリーのある港に向かった。
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