【アナタシア】惹かれ愛【まさと】

fourty-six ページ49

まさとside







でも……だからって今更助けを求められても困るよ




俺だって突然裏切られて泣いた時だってあって、それでも忘れなきゃって。やっと心が回復してきたと思ったらまたやり直そうなんてさ






正直勝手だと思っちゃうよ




でも、俺が悪いんだ。だから彼女を見放す事は出来ないしこの生活から脱せない







もうどうすればいいのかわかんないよ……








こういう時、ふとまーちゃんの顔が浮かぶ







彼女と出会ってから何度か一緒に過ごした時間には救われたし、きっと俺はまーちゃんの事が好きだと思う







でもね、その想いは俺には叶えられない









ごめんね。まーちゃんを好きな俺









そんなことを考えながらぼーっとしてたら、いつの間にかゆいちゃんは出かけたみたい







きっとどこに行くか伝えてくれたんだろうけど俺が聞いてなかったんだと思う







………はあ、ダンスの練習でもしよ









＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿






「んー、ここターン増やすか」







近くの公園で健くんと作ってる振り付けの後半を考える






ここの公園小さい子があんまりいないから踊れて良いんだよな。まあ癒しは減っちゃうけど







曲をかけたり止めたりしながら少しずつ進めていく









『あれ？まーくん？』









急にランニングウェアの女性に話しかけられて、驚いて振り返るとまーちゃんがいた








『えー！何してるの偶然だね！』









帽子を脱ぎながら笑顔で駆け寄ってくる彼女を見て思考が停止した









『えっちょっ、え？まーくん？』









次に彼女が俺を覗き込みながら発した言葉でやっと自分が泣いてることに気づいた









「あれ…何でだろ…ごめ、ん」









かっこ悪いな。こんな所で泣くなよ俺






きっとまーちゃんにも引かれる






そう思って首にかけてあったタオルで必死に目を拭う









彼女は、何も言わずに俺の事を抱きしめた

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