深瀬くんと。

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『ただいまー』ってお家に入っていく深瀬くんのあとに続いて、わたしも中に入る。

ただいまは、小声でこっそり。

だってまだ慣れないんだもん。

ふたりぶんの靴を揃えてリビングにむかうと、テーブルに突っ伏して寝ちゃってる彩織ちゃんにタオルケットをかけてたなかじんが『おかえり！』って出迎えてくれた。

「ただいま」ってこたえると、今度は彩織ちゃんが読んでた本に栞を挟んで積まれた本の一番上にのせた。

さすがなかじんだなあ、なんて関心しちゃった。

loveはもう部屋で寝てるらしい。

ちなみに深瀬くんは、わたしがリビングに来る前にもうソファで残ってたワインを呑み始めてた。

わたしは寒かったから、温かい紅茶をいれる。

なかじんが、『お先に！』って行って部屋に戻っていった。

ティーカップを持ってベランダに出る。

まだもう少し、星が見ていたかったから。

「寒いな……」って呟いたら、後ろから『そりゃそうでしょ、そんな薄着じゃ。』って声がした。

振り向くより先に、肩に何かがかけられる。









それは初めて会った日に深瀬くんが来ていた、赤いパーカーだった。

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