20 ホソクside ページ20
ホソク｢え…本当に、会うんですか？｣
｢う、ん。逃げてちゃダメだと思って｣
1晩Aさんの家に泊まって、何も無かったみたいに朝ごはんを食べて、支度をする。
どこかに行きそうなこの人を見張りながら。
どこにも行かないでと願いながら。
ホソク｢俺は…貴女が心配です｣
ジョングクに会って話して、Aさんがどうなるのかが予想できないから。
強いフリをするのが、Aさんは上手だから。
どこかで心がパリンと割れてしまっても、それを隠してしまうから
だから俺は、この人が心配で気が気じゃない。
｢大丈夫だよ。ホソクくんは？大丈夫なの？｣
俺はもう、大丈夫、です。
大丈夫だから、俺に頼って欲しい。
俺に、甘えて欲しい。
俺が必要だと、言って欲しい。
今の俺は、Aさんが傷つくことの方が怖くて、怖くて仕方が無い。
ホソク｢俺は、もう平気です。強がりとか、そういうんじゃなくて本当に。｣
｢そっか…よかった。｣
ホソク｢でも、俺はAさんと一緒にいたい。だから、どこかに行きそうなのが今は一番怖い｣
｢行かないよ｣
俺を安心させるために言ってるのか、本当なのか見当がつけられないAさんの言葉。
ホソク｢行かないって、約束してください｣
子どもみたいにAさんに抱きついて
みっともなく力任せに抱きしめる俺。
多分、あの同期の人ならこんな子どもみたいな抱きしめ方、しないだろう。
ここにいないのに、俺の頭の中で登場するあの人にすら嫉妬してみっともない。
｢うん、約束｣
ホソク｢破ったら、どうしますか？｣
｢破らないよ｣
そう言って俺の頭を撫でるAさんの手に安心しつつ
不安の糸は張ったままだった。
｢ねぇ、グクに伝えといてくれる？明後日の17時、○○公園で待ってるからって｣
ホソク｢…はい｣
｢ありがとう、ホソクくん｣
ジョングクに伝えたら、あいつはすごく喜ぶんだろう。
ヌナに会える、やっとまともに会ってくれるって。
そう思うと
｢これで最後って言おうと思って。ちゃんと全部逃げないでグクに私の気持ち、言おうと思って｣
少し心が、痛くなる。
俺とジョングクは…少しだけ似てるから。
会えたのに、別れを告げられるのは辛いのを俺は知ってるから。
だから一瞬、伝えるのを躊躇ってしまいそうになった。
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ぴよだんご(プロフ) - ::::さん» 読んでくださってありがとうございます！！！嬉しいお言葉…！！ (2020年7月3日 0時) (
レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
:::: - 最高すぎますこの小説。。。一気に最後まで読ませていただきました。ありがとうございます！ (2020年7月2日 23時) (レス) id: ffedd0ca52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴよだんご
| 作成日時：2020年5月23日 13時
