14 ホソクside ページ14
この感情を2文字で表すなら
"嫉妬"だ。
｢だから、送らなくても大丈夫だってジンくん｣
ジン｢なんだよ、嫌なのかよ｣
大学の帰り、偶然見てしまった。
Aさんが、他の男といる所を。
俺が入院してた時に窓から見えた人だ。
確か、同期の人。
ジン｢女なんだから、危ないだろ｣
｢別に平気。ジンくんの方が危ないんじゃない？｣
ジン｢…それは、まぁ、言い返せないけど。俺、かっこいいし｣
｢ソウデスネ｣
ジン｢ほんとお前だけなんだけど…俺に興味無いの｣
足に根が生えたみたいに、動かない。
違う、動けない。
誰といても、Aさんの勝手なのに
俺が口出すようなことじゃないのに。
どうしてこんなにイライラするんだろう。
言えば、俺が送るのに。
迎えに行くのに。
なんで1番に俺を頼らないんだろう。
って自分勝手な事を思って勝手にAさんにも腹を立てて。
｢…なーにしてんの？｣
ホソク｢うわっ…！！！え…あ、A、さん？｣
｢うん、私だよ？｣
俺の目の前にいたのは、紛れもなくAさんで
あの男の人、同期の人は？って頭の中を駆け巡ってるのに
そんなことも知らないで、ただ笑ってるAさん。
ホソク｢あ、えっと…あの、同期の人は…？｣
｢えっ？あー、見てたの？ジンくんなら明日のお昼一緒に食べる条件で帰ってもらったよ｣
ホソク｢…なんで、俺のところに…？｣
｢偶然。後ろ向いたらコソコソしてるホソクくんが見えたから声掛けちゃった｣
たったその一言で苛立ちが消えるなんてなんて簡単なんだろう、俺。
偶然見つけてくれて、俺の方に来てくれて
俺、こんなに安心してる。
張り詰めてた糸が、急にだらんと垂れるみたいに気が抜けてしまう。
ホソク｢送りますね｣
｢ううん、1人で帰れるよ？｣
ホソク｢俺、あの人より、頼りないですか？｣
｢そんなこと、無いよ｣
気づいたら、俺は同期の人に対抗してた。
なんで？って顔をしてるAさん。
俺も、さっきまで分からなかった。
でも、
…Aさん教えてあげる。
俺の今の感情を、言葉に表すなら
ホソク｢じゃあ、送っていいですよね｣
｢…じゃあ、お願いしようかな？いい？｣
ホソク｢危ないから、手、繋ぎますよ？｣
｢子どもじゃないよ？｣
ホソク｢知ってます、俺が、繋ぎたいだけ。｣
嫉妬。だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 174人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぴよだんご(プロフ) - ::::さん» 読んでくださってありがとうございます！！！嬉しいお言葉…！！ (2020年7月3日 0時) (
レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
:::: - 最高すぎますこの小説。。。一気に最後まで読ませていただきました。ありがとうございます！ (2020年7月2日 23時) (レス) id: ffedd0ca52 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぴよだんご
| 作成日時：2020年5月23日 13時
