11 ホソクside ページ11
Aさんを見たら、張り詰めてた糸がプツンと切れた。
コップの水が溢れてコップが倒れたように感情が溢れかえって
そんな俺を受け入れるように、慰めるように言葉をかけてくれるAさんの言葉が
枯れかけの俺の心に水を与えてくれる。
ホソク｢どこに行きますか？｣
｢ファミレス…とか？｣
ホソク｢金曜ですよ？飲まなくていいんですか？｣
｢今日はいいかな｣
詳しく言葉にはしないけど、多分Aさんは俺がやけ酒するのが心配でそういったんだと思う。
…しない保証なんてどこにも無い。
飲んでしまって本音が出てしまえば、やけ酒して記憶が無くなるまで飲んでしまうかもしれない。
今日は特に。
それから、ご飯をご馳走になって外で待っていると
今は聞きたくない、愛おしかった人と同じ声が聞こえた。
？｢変な噂、流すのやめてください｣
サキ｢流してないよー！だって、私、グクくんと付き合いたいんだもん｣
世の中、声の似てる人なんていくらでもいる
サキとは限らないじゃないかって
確かめるだけと、心を殺して顔を上げると
サキ｢あ…｣
ホソク｢…サキ｣
神様は意地悪だ。
まだ癒えきってない俺の心に、追い打ちをかけるんだから。
早く、早く、早く。
Aさん、戻ってきて。
｢ごめん、待たせて…！｣
ホソク｢…Aさん…｣
｢あー…その、お取り込み中？｣
ホソク｢違うよ。じゃあね、サキ｣
平気なフリして、俺じゃない、違う男と腕を組むサキに手を振ってAさんの腕を引っ張って歩き出す。
？｢待って…！｣
違う男が、Aさんの腕を掴むから
思わず歩みを止めてしまった。
止めたのが、間違いだったんだ。
止めなかったら、Aさんは、傷つかなかったのに。
俺は、いつも水を貰ってるのに。
？｢Aって…ねぇ、その顔…ジョングクだよ…！ヌナ…！！！｣
｢…グク…？｣
ジョングク｢Aヌナ…でしょ…？俺…ずっと会いたくて…！｣
目を見開いたまま、動けなくなってるAさん。
誰もが、この展開についていけなくて
俺はただ、呆然と見てるしか無かった。
｢…誰かと、間違ってるんじゃない？｣
ジョングク｢えっ…そんなわけない…！｣
そう言って、出会いから何まで全部話す、ジョングクと名乗った男。
多分、Aさんは確信してるのに嘘をついた。
｢…そんなの、知らないよ｣
って。
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ぴよだんご(プロフ) - ::::さん» 読んでくださってありがとうございます！！！嬉しいお言葉…！！ (2020年7月3日 0時) (
レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
:::: - 最高すぎますこの小説。。。一気に最後まで読ませていただきました。ありがとうございます！ (2020年7月2日 23時) (レス) id: ffedd0ca52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴよだんご
| 作成日時：2020年5月23日 13時
