【SEVENTEEN】愛してるは嘘つきのはじまり。

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後輩を連れて、しかも男の子の後輩を連れてホスクラに行くってどうなんだろう。



私は私以外の女の子にはホスクラを勧めない。

何故なら、疑似恋愛から戻って来れなくなった私のような哀れな女になって欲しくないから。



ジョンハンにとって私はただの一客。



ATM、財布。



そうだと分かっていて、ジョンハンに私は恋をしてしまっているんだから



哀れな女という表現はきっと間違ってない。







｢着いたよ、スングァンくん｣


｢わー！緊張する！あ、ちょっと待ってくださいね、ヌナ。来たって連絡入れるので｣


｢うん、いいよ｣






私も久々に来たよってメッセージしてみようかななんて思ってメッセージを開く。


最初の頃は急に来たら迷惑だろうからって連絡入れてたのに


いつからか、そんなの無くなってたなぁなんて



初心に戻るのも、いいかもしれないって



ただそんな風に安易に思って



メッセージを入れてスングァンくんとエレベーターに乗る。





｢あ、来た。｣


｢…なん、ジョンハン、接客…｣


｢少し抜けてきた。あんな可愛いことされたら早くA会いたくなるし｣





ただ連絡を入れただけなのに、ジョンハンが他の姫を置いて出迎えてくれるなんて思いもしなくて


ただただ、心臓が高鳴って


ただただ、嬉しい。







｢むー。従兄弟の僕が来たのに、僕よりヌナなの？ジョンハニヒョン｣


｢え？｣


｢なに、お前らどういう関係？｣






私の肩に手を置いてひょっこり顔を出してそう言うスングァンくんに驚きを隠せなかった。


てっきり売れてないホストと従兄弟だと思い違いをしていたから。


まさか自分の担当の従兄弟だなんて誰が予想出来るだろうか。







｢僕、ヌナの会社の後輩！｣

｢ふーん、手、出すなよ。スングァン｣

｢…そういうこと言うの珍しいね、ヒョン｣

｢はいはい、スングァンは初回だから初回料金な。Aは、指名俺｣







できるわけが無い。



少しだけ、ほんの少しだけ邪なことを考えてしまう。

ジョンハンの小さい頃の話聞けそうとか

ホストとしてじゃない、ジョンハンの好きな物聞けそうとか。



それじゃあ、スングァンくんを利用しているみたいだからダメダメと私に言い聞かせる。



大体、ホストしてじゃない答えを貰えない時点で私はただの客決定なんだから




そんなこと、ただの客に詮索されたくもないだろう。








｢A、手貸してみ？｣


｢え？｣


｢出勤する時に見つけてAっぽくて買った。うん、似合ってる｣








なのに、こういう所が狡いの



ジョンハンは。

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