【SEVENTEEN】愛してるは嘘つきのはじまり。

18 ページ18

顔も身体も心もボロボロだった。


連絡先どころか、スマホは壊されて為す術なかった。

連絡なんか取らされないようにしてた。





もう辛かった。




もう何でも良かった。




でも、許せなかった。


なんで私だけこんなに不幸で


彼がのうのうと生きてるのって。



だから＿＿＿＿




｢一緒に堕ちるところまで堕ちよう｣





彼の職場に向かうことにした。





フラフラで顔を晴らして、ガリガリな私を見た通行人はみんな口を揃えて言った。





"不気味"って。




分かってる。



私にお似合いの言葉。


ﾄﾞｶｯ


｢あ、すみま…｣

｢俺は大丈……｣





金髪の綺麗な男の人は、私の顔を見て驚いた顔をした。


それはそうだ


醜いもの


人生最後の日、折角金髪のイケメンにぶつかったなら



自分の最高の可愛い姿が良かった。


なんて思うの。




｢……着いてこい｣

｢えっ、あ…｣






腕を引っ張られて連れてこられた場所は


彼のホストクラブのライバル店だった。


こんなの知られたらまた殴られてしまう。


恐怖が私を支配していて足が動かない。






｢……大丈夫。何もしない。手当だけ、な？｣





優しかった。

久々に心が安心した時だった。




｢いっ……｣

｢…悪い、もう少し我慢しろよ｣

｢は、い……｣




私に触る時も、髪を引っ張ったりしなかった


それだけで、涙が溢れて止まらなかった。





｢……何あったとか、まぁ、見りゃわかるけど。何された？｣




1から10まで全部話した。

見ず知らずの人にこんなこと言ってもいいものか悩んだけど


言うしか無かった


助けて欲しいと、思ってしまったから。


この人なら、ジョンハンなら、助けてくれると思ってしまったから。






｢あのホストな、ここら辺じゃ悪名高かったな。｣

｢え？｣

｢有名なんだよ。アンタにしたみたいなこと、誰にでもしてること｣





もう、心が壊れそうになった。





｢…頑張ったな｣


｢っう……くっ……あっ……あ…｣




止まらなかった。


私の人生、棒に振られたんだって。



辛かった。


愛はなくても、好きだった事実は間違いなかったから。





｢うん、頑張ったな。よしよし。｣





俺が、どうにかする。


それとも戻りたいか？って言われて


大きく横に首を振ると


優しく笑って頭を撫でてくれた。





｢お、腫れ引いてきたじゃんA｣

｢ジョンハンさん…！｣





逃げるように家の私のものを片付けて逃げた

最初は来るんじゃないかって不安だった

でも、ジョンハンが客でもない私の傍にずっと居てくれたから、安心したんだ。

19→←17

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す