【BTS】真紅の果実に牙を添えて

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ナムジュン｢…｣


｢ナムジュンさん…｣


ナムジュン｢…｣





どうしよう。と困ってしまう。


何が困るかと言うと、ナムジュンさんは1回本を読み始めてしまうと大抵物語の中に入って言ってしまうから


外部の音が中々届かなくなる。


ホソクさんにナムジュンさんを呼んできて欲しいと頼まれたのに



どうしたら、私に気づいてくれるのだろうか。




作戦1、肩をトントンしてみよう。






｢ナムジュンさん…！｣


ナムジュン｢…ここは…何故…？｣







効果なし。

肩を叩いたら普通気づいてくれてもいい気がするのだけど


それだけ集中しているんだなぁなんて思う私。


さて、困ってしまった。


無理やり腕を掴もうか


無理やり視界に入ろうか。


申し訳ないとは思いつつそのふたつを実行することに。




ナムジュンさんの目の前で膝立ちをして


本を持ってる手を揺らしてみる。






｢ナムジュンさん…！｣

ナムジュン｢…ん…？｣





あ、やっと反応してくれた。


なんて安心しているのも束の間。


ナムジュンさんは何を思ったのか私の手首を掴んで引っ張ると


ナムジュンさんが座ってる上に座らされてしまった。


これはマズいと、重たい女を乗せながらの読書なんて楽しくもなんともないのにと思いながら



脱出を試みた結果。



私の肩に顎を乗せてそのまま本を読み始めてしまって余計に大変なことに。








｢あ、あ、どうしよう…な、ナムジュンさん…！｣









後ろから抱きしめられてるこの体勢にドキドキしてしまう。



ナムジュンさんのいい匂いが鼻腔をくすぐるから尚更に。





普段よく物を壊していて、破壊神、なんて不名誉すぎる称号を貰っているのに



私を抱きしめている力は優しくて




全然、物なんか壊しそうな力じゃない。







ホソク｢Aちゃん、大丈…夫じゃないね！？｣


｢あ、ほ、ホソクさん…！すみません…！！あ、あの、本の世界に旅行されていて…！｣


ホソク｢んっ、ふふ、ど？旅行だって。ナムジュン。可愛い表現だね？｣





ホソクさんでもきっと意思疎通できませんよ…！！

って思ってると

ナムジュンさんが急に本を閉じて私を引き寄せる。








｢っきゃ…｣



ナムジュン｢正直そういう風に形容されると思ってなかったからびっくりした｣



｢あ、あ、えっ、と？｣



ナムジュン｢俺もAちゃんと触れ合いたくて、意地悪しちゃった。ごめんね？｣









ナムジュンさんの低くて落ち着いた声が私の耳に至近距離で響くから


心臓が元の速さに戻ってくれません。

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