【BTS】真紅の果実に牙を添えて

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ユンギ｢…噛んでいたかったら言えよ｣


｢は、はい…｣





苦しそうに呼吸をするユンギさんに連れてこられたのは

少し狭くて、誰も使っていなさそうな物置部屋みたいな場所。


まだ転入して間もないし、全部を見回った訳じゃないから


知らない場所があって当然なのは当然なのだけど


ここまで来る道のりも忘れるほどに


教室から遠い場所だってことだけは分かる。






ユンギ｢っちゅ…ん…｣


｢いっ…んっ…｣






ユンギさんの鋭い犬歯が私の指を噛むと


指先から血が出てくるのが分かる。


指が熱くて


指を舐められてるのが恥ずかしくて


心臓が反応してしまう。




あの時もそうだった。



ユンギさんは優しく触れて優しく私の血を吸い取るから



何故か嫌悪感を抱かなくて


ただただドキドキしてしまう。


ふわふわして、少しだけ心地良くて。







ユンギ｢んっは…は…ちゅっ…｣


｢っう…｣





自分が今何をされているかを見るのは恥ずかしくて


目を固く瞑ると


ユンギさんはそれに気づいたのか



私の指を舐めながら私の目をユンギさんの手で目隠しして


私の身体を壁に寄りかからせる。








ユンギ｢力入れんな。抜け｣

｢あ、ご、めんなさ…｣

ユンギ｢見たくねぇなら、俺が隠してやるから｣









見たくないんじゃないです


見ているのが恥ずかしいだけなんです。


血を飲まなきゃ生きていられないのが吸血鬼でしょ？


その行為は私からしたら怖いけど



否定されるのはきっと、傷ついてしまうから。




ユンギさんも、他の兄弟達も





だから、誤解されたくないのに




私の意識はどんどん遠のいてしまうんです。



固く瞑ってた目の力は抜いてて


目だって開いていたのに


瞼が言うことを聞かない。


私の意思とは無関係に


ゆっくり下がって







｢っ…すぅ…｣


ユンギ｢…ごちそうさん。A｣









私はまた意識を手放してしまった。


ユンギさんが、私を隠すように寝かせてくれたなんて知らずに。









女｢あ！いたユンギー！1人で何してんの？そろそろ血が欲しいんじゃない？？｣


ユンギ｢要らねー｣


女｢なんでよーっ、いつもみたいにどうぞ？？｣


ユンギ｢気色悪ぃことすんな。つーかお前誰。勘違いすんなよ、1回以上飲んだ女なんていねぇーよ。｣


女｢ひどーい！あれ？なんでそんな所に制服散らかしてるの？私が畳もうか？｣


ユンギ｢知らねぇ女に俺のもの触らせるわけねぇだろ。失せろ｣







私は、ユンギさんのお眼鏡にかなったことも知らずに。

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