【BTS】真紅の果実に牙を添えて

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＿＿＿＿お父さん…！？お母さん…！？



＿＿＿＿やだやだやだやだ！行かないでっ…！




＿＿＿＿私を、置いて…行かないで…





｢っはぁ…っ｣







また夢を見る。


1人で住むには大きなお家。


中には誰もいない。


優しかったオンマも、アッパも


楽しそうに笑ってたあの声も


何もかもが、無くなった。








？｢おっ！起きたか？｣

｢ひぃっ…きっ…｣

？｢き？｣

｢きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！｣





1週間前交通事故で、私の前から姿を消した両親。


警察の人から話を聞いたら、着いた頃にはもうダメだったらしい。


両親が大好きだった


まだ、私は高校生で


まだ、子供。


なんでそんなに早く行ってしまうのと、泣かない日は無かった。







？｢お、俺だよ俺！叔父さん！！｣


｢えっ…あ、叔父、さん…｣


叔父｢忘れたのか？今日、迎えの日だぞ｣


｢…あ…すみま、せん…｣






大好きな両親との思い出しか詰まってない子の家を


この叔父さんの計らいで私は、手放すことにした。


正確に言うと、保護してくれたのだ。


アッパの友人で、小さい頃よく遊びに来てくれたこの叔父さんが。


女子高校生の一人暮らしは危ない


暮らしはどうする？


お金は？


バイト？


じゃあ学業はどうするんだって。






｢あ、の…本当に私…お世話になっても良いんですか…？｣


叔父｢当たり前だろ？俺がそうしてくれってAに頼んだんだから｣







この叔父さんはどうして私にそこまでしてくれるのだろうか。



転入先の制服も、全部この人が工面してくれた物だ。


私は前の学校の制服でも困らないと言ったのに。


この叔父さんは、それじゃダメだの一点張りで


結局制服を用意してくれたのだ。








叔父｢ほれ、カバン持ったら行くぞ｣


｢え？で、でもあの…他にもまだ荷物が…｣





着替えとかが入ってるダンボールやなんやらを叔父さんは持っていくつもりがないのか



私に最低限の荷物を持たせると車に乗り込んでしまう








叔父｢そんなの、俺が運んでおくから、まずお前さんは学校。転入初日に遅刻なんてしたくないだろ？｣


｢あ、りがとう、ございます…｣






お言葉に甘えて、車に私も乗り込むと


少し運転の荒い叔父さんの車が発進する。




私が今日から過ごすところで





＿＿＿＿変な噂が囁かれてる。







それは








叔父｢お前も、血には気をつけろ？｣


｢き、気をつけるって…だって、噂…ですし…｣









吸血鬼が、住んでるって噂。

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