【BTS】世界は君で廻ってる

23 ジンside ページ23

昔の俺はエスパーか何かなのか。








【進展あり】









それだけが書かれた手紙が一通。


もしかしたらこれ送ってるの未来の俺なんじゃ？って疑ってしまうほど。


まぁ、でも。



未来にしろ過去にしろ



俺が進展ありだと思ったなら


進展ありだ。







｢ソクジン！おはー！｣


ジン｢…迎えに行くって言ったけど？｣


｢朝くらい大丈夫だも…わっ！！！｣







人がスローモーションに見えた瞬間を初めて見た。



少し鈍臭いとしても


あのコケ方は変だろ。


なんでこんなタイミングの悪い時に







ジン｢馬鹿っ…！｣

｢っ…あ、ごめ、ソクジ…｣

ジン｢おい、怪我ないか！？どこも痛くないか！！？｣





なんで、タイミングよくトラックが通るんだ。


なんでAが横に倒れる。


躓くなら普通前だろ。



足を捻った様子もねぇし。




やっぱり不自然だ、こんなの。








運転手｢お、おい！大丈夫か！？救急車呼ぶか！？｣


｢あ、当たってないので！それよりもすみませんでした…！！｣








カタカタ震えながらニコニコ笑うAに腹が立つ。



何ニコニコしてんだよ。


怖いくせに。


こういう時は、頼れよって。







｢ソクジンもありがとう…ソクジンがいなかったら轢かれてた…！…行…あれ？｣






腰抜けるほど怖い思いさせてしまった。


間に合ったから良いものの。



間に合わなかったと思うと



すごく怖かった。




なんのためにここに来たんだ俺。




Aを取り戻すためだろ。




Aのいる世界に、するためだろ。









｢あ、あはは。腰抜けちゃった｣


ジン｢…怖かったなら、笑うな。俺の前でくらい、泣けよ｣


｢や、やだ！それ弱みにしてアルパカにされる！｣


ジン｢は！？んなことしねーし！！｣


｢それでもなんでも嫌なの！！だって、か、可愛くないもん。泣き顔｣






こいつはバカなのか。



いや、馬鹿だった。


馬鹿なくらい、可愛いやつだった。








ジン｢じゃ、これなら泣けるか？｣



｢…ソクジン臭する｣


ジン｢加齢臭みたいな言い方やめろ｣


｢んふふ、いーにおいだよ。…あはは…怖かったぁ…！｣








可愛すぎる。


なんで俺の好きな女はこんなにも可愛いのだろうか。



俺の前で可愛くありたいと、そう言ってるようなもんだったじゃないか。






ジン｢充分、可愛いけど。Aは｣


｢何それっ…口説き文句？｣


ジン｢人をなんだと思ってんだ｣


｢んふふ、本気にしちゃうんだぞ？｣


ジン｢しろよ｣





本気にして



俺がいなきゃヤダって言えよ。

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