【BTS】世界は君で廻ってる

18 ジンside ページ18

Aの戻りが遅いと不安になる。



なにかされてるじゃないかとか


俺の見てないところで誰かがAを傷つけてるんじゃないかとか。





登下校、移動教室、昼休み





できるだけ側にいてやりたいのに。



トイレだけはそれを許されない。



…流石にトイレだけはついていけない。



なんか、悪いことしてる気分になるし。





こういう時だけは、女になりたいと思う。




そうすれば、ちゃんとAを守れるのに。








｢お待たせ！｣


ジン｢遅い｣


｢む、仕方ないじゃん！｣


ジン｢本当に、人の気も知らないで。心配してるんだからな｣


｢…大丈夫だって言ったじゃん、直接なんて何もされてないもん｣


ジン｢されてからじゃ遅いんですー｣








そんな不甲斐ない俺にイラついて


カッコ悪くもAに当たってしまう。


しっかりしろ、キムソクジン。



お前は中身、24歳だろ。



いい年した大人が、高校生に当たってんな。








｢もー、わかったって。帰ろ！｣







そう言って靴箱を開けると



お決まりのようにカッターが落ちてきて


手紙が一通入ってた。







｢あはは…危なかったー｣


ジン｢笑ってる場合じゃない。見せろ｣


｢あ、ちょっ…ラブレターだったらどうするの！？｣


ジン｢この状況でそれは有り得ません｣









…でも、ラブレターだったら正直ヘコむ。


立ち直れないくらい、ヘコむ。





よし、深呼吸してから開けよう。




心の準備。








【私は、君の泣いてる顔が見たい。君の痛がる顔が見たい。きっと、可愛いんだろうなぁ…】






ただそれだけが書かれてて


身震いがした。



何だこの異常な癖持ちなやつは。







｢ねぇー！なんだったの！？｣


ジン｢なんでもない｣


｢えー！むー！私が貰ったんだぞー！｣








ぴょんぴょん跳ねるAが可愛…じゃなくて



これはどうするべきなのか。



筆跡から誰か割出せればいいのに



ご丁寧に筆跡変えてやがる。






｢ソクジンー！私も見たいってばー！｣


ジン｢あー、これは、俺へのラブレター。お前にじゃありません｣









こんな薄気味悪い手紙、見せれるわけない。


Aの為にも、予防するためにも見せるべきなのかとも思ったりするけど






見せたくない俺が大勝利した結果だから。









｢…ふーん。帰る｣


ジン｢ちょ、待てって…なんだよ｣


｢あー！モテてようございましたね！！｣








俺は、Aに笑ってて欲しい。




悲しい顔なんて、して欲しくないんだよ。

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