【SEVENTEEN】ご指名は不思議な彼で。

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ニア｢やっぱり夏祭りと言ったら花火だよねー！｣


｢うん。でも、やっぱり人混んでるね｣



ニア｢ねー。それだけが嫌だよねー｣






みっちりお説教を受けた私とジュンさん。


お詫びと言ってはなんだけど、1番花火が大きく見えるスポットに来ると



どこ見渡しても、人人人。



一瞬でも気を抜いてしまうと、はぐれてしまいそうになるくらい。






しっかりしないとって、意気込んだ傍から






私はなんて鈍臭いんだろう。






ニア｢あっ、ちょ、A…！？｣


｢ニア…！｣






簡単に人混みに飲まれてしまってひとりぼっちに。


ここから戻ってもいいんだけど


なんだかこの人の量に何となく負けてしまうし



迷子になりそうで嫌だ。







ジュン｢はぁー！成功！｣


｢えっ…あ、なん、で？｣








確かに私は3人とはぐれたはずなのに。


聞き覚えのある声がして振り向くと


ジュンさんがいて。


これはなんだろう、夢？幻？なんて混乱して



でも、手を掴まれている感覚も、温度も



全部全部本物で



本物の、生身のジュンだって思う。









ジュン｢4人で見てもいいけどさ、何となくAと2人で見たくて。引っ張っちった｣



｢引っ張ったって？｣



ジュン｢んふふ、まだ気づいてないの？人混みに飲まれたのって俺が引っ張ったからだよ？｣









まるでイタズラが成功した子どもだ。




ジュンは。




だって、そういう顔、してるんだもん。




素直に、喜んでもいいのかな。



良いんだよね。




だって、ジュンが、私と見たいって思ってくれたって事だもんね。




だから、少しだけ、私に勇気をください。




ほんと少し、欠片でもいいから。






ジュンに掴まれてる手と



手を繋ぎたいの。








ジュン｢ホシに連絡入れ…た、から｣


｢う、うん｣


ジュン｢…急に手繋ぐのずるい｣


｢…ま、いご、防止｣







好きだから繋いでちゃダメなの？って言えたら、どんなに可愛のだろう。



どこまで私は天邪鬼なんだろう。




ジュンの前では可愛い私でいたいのに。









ジュン｢じゃあ、迷子にならないように、さ…手、絡めない？｣







何枚も上手なんだ、ジュンは。




それを天然でやってのけてしまうから、恐ろしいのだけど。









ジュン｢…花火が終わるまで、絡めていい？｣


｢きか、ないで…よ｣


ジュン｢ふふっ、真っ赤だA。さっき買ったりんご飴とお揃い｣






誰のせいだと思ってるの？ジュン







どう考えたって、ジュンのせいだよ。

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