甘い蜂蜜に甘い蜜【続編】

16 ジミンside ページ16

自分がかっこ悪い。





ごめんね。




たった一言、そう言えば解決したのに。






何意地張ってるんだろうか、僕は。








あんなに悲しそうな顔させて

泣きそうな顔させて

僕が一番好きな顔は、笑ってる顔なのに。






Aは僕に言い返さないってどうしてそんな確信、持ってたんだろう。



もう、僕の言うことを聞くbeeじゃないって分かってるのに



主従関係なんかじゃなくて






恋人なのに。








テヒョン｢やーっほ！｣

ジミン｢わっ、テヒョン…びっくりするでしょ？｣

テヒョン｢ビックリさせたかったから成功！！｣






無邪気にそう言うテヒョンが羨ましい。


悩みなんか、無さそうで。






テヒョン｢A、泣いてたけど｣






さっきまでニコニコ楽しそうに笑ってたテヒョンが急に真顔になる。




泣きそうな、じゃなくて



泣いてたんだ。



僕の知らないところで



僕は、Aを泣かせてしまった。





僕のぐちゃぐちゃな嫉妬心で

でも、Aに嫉妬してもらったのが嬉しくて


こんな訳分からない感情で一緒にいたら傷つけると思って



距離を置いたのに。






ジミン｢…なんで、僕を呼ばないの？｣






呼ばれたところで、僕は何か出来たのかな。


いつ泣いてたのかも分からない


もしかしたら、言い合った日かもしれない


ぐちゃぐちゃな心のまま近づいて



もっと傷つけたかもしれないのに。









テヒョン｢呼ぼうとして、止めたのはAだよ。お前に嫌われるんじゃないかってずっと泣いてた｣







嫌うはず、無いのに。



これ以上傷つけたくなくて、距離を置いたのに。



僕が心の底から好きなのはAなのに。





大事にしたい

他の誰の目にも触れさせたくない

本当は、閉じ込めちゃいたい。




そのくらい、Aが好きで好きでたまらないのに。





テヒョン｢ジミンが手放すわけないから、フォローしといたけどさ。ジミンはAとお客さん、どっちが大事？｣


ジミン｢それは…｣


テヒョン｢即答、出来ないんだ｣





もし、僕のひとつの行動で悪評でも広められたら


店長達に迷惑をかける。


そんなの、ダメだから。






ジミン｢僕のせいで悪評が広まったら、迷惑かける｣

テヒョン｢ひとつの悪評のほうがAより大事なんだ？｣





テヒョンは真っ直ぐ僕を見ると






テヒョン｢そんな悪評無くなるぐらい俺がいい所沢山広めてやるから！本当に大事にしたい方を大事にしろ。ジミン｣





そう言って僕の肩をぐっと掴んだ。



テヒョンのお節介。



テヒョン、ありがとう。

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