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Aに手間かけないために新入生を威嚇したはずなのに、逆に迷惑になってることに気づいてめちゃめちゃ落ち込む。
今まで何気なくカゴに放り込んでた自分のタオルを、
洗濯物の山から見つけて申し訳なさが溢れた。
「ありがとな、いつも。
こんな大変なことしてくれて」
「なに、いきなり」
「いやほんとに。感謝してるよ」
「なんなん、恥ずいやん。
いきなりそんなん言われたら」
「俺も恥ずいわ」
はははって照れ隠しで笑いながら振り向いたら、
その場にうずくまってるA。
「え!?どうした!?」
「いや、何もない」
「どっか痛いんか?体調悪い?」
「ほんとに何もないよ…
…ただ嬉しくて」
「え?」
「そうやって思ってくれてるんやね。」
「A…泣くなや…」
「私、正直ね…
こんな家政婦みたいなこと毎日して、青春って今しかできないのに何してんだろって思う時あるんだ。」
そうだよな…
年中俺らの為に朝から晩まで動き続けてくれてる。
そんなこと俺には出来そうもない。
「うん…」
いい言葉が見つからず静かに頷いた。
空気は重い。
「でもさ!私の青春は野球部だって思い出した!」
そんな空気を変えたのは明るいAの声。
その声に引きつけられるように顔を上げて、明るい笑顔を見つめる。
「ありがとね!としみつ!」
「みんな思ってるよ。
ありがとうって、毎日思ってる」
「めっちゃ元気出た!
みんながいなきゃ私の仕事は成り立たないからね。こちらこそいつもありがとう」
「よし!終わらせるかー」
「うん!ありがと!」
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まるに - 更新毎日チェックするのが日課になってきてます、笑いつも楽しく読ませてもらってます。だいすきです。これからも更新待ってます!! (2019年2月17日 13時) (レス) id: 325372c1f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Miina | 作成日時:2019年2月5日 2時