Truthful Fate -M.A- (ページ9)

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9.ひねくれものページ9

「櫻井翔です、よろしくお願いします」

「水野Aです、」

___日曜日

ついにこの日が来てしまった。

親同士は仲よさそうにしゃべっているが私たちは自己紹介以外で一言も言葉を交わしていない。

あの金曜日の日。

初めて親に反抗して居酒屋で遅い時間にご飯を食べて帰ったらものすごく怒られて。

絶対に行かないって言っていたこのお見合いは無理やり連れてこられた。

高級そうなレストラン

ほどよい速さで出てくる料理

それももうメインまで来ていた。

普通においしい、

だけど息がつまりそう。

あまり好きじゃないよそ行きの動きにくいワンピースをきて

望んでもないお見合い。

幸せ、と感じられる食事には程遠い。

この前の居酒屋で彼と食べたチャーハンや唐揚げのほうがうんとおいしい。

あの味が恋しいな

値段が高くたって

見た目がよくったって

おいしいとは限らない

これは彼のおかげで知れたこと

.

そんなことも知らない見栄張りの大人たちは

「私たちはお邪魔かな、一旦席を外そうか」

そんな呑気なことを言い出して櫻井さんと私を2人にした。

私の向かいに座っている櫻井さんは綺麗な顔立ちで、食べ方が綺麗でスーツが似合ってて、

育ちがいい、って誰が見ても感じられると思う。

モテるだろうな、この人。

だけど

翔「嫌になりますね、こんな強制的な結婚」

「え？」

翔「親のための結婚なんてありえない」

ね？って私に問いかけてくる櫻井さんの目は

どこかやんちゃ坊主な感じがした。

翔「水野さんも無理やり連れてこられた、って感じでしょ？」

「えぇ、まあ、」

率直すぎて思わず笑ってしまう。

翔「今時古いですよね、こんなの」

あーあ、疲れた

って言いながらんーっと伸びをする。

「なんか、意外。
もっと上品な人だと思ってました」

翔「そう見せてるだけです。
心の中ではボロクソです」

背もたれにもたれて指を絡めて膝の上に手をおいてる彼は

多分相当なひねくれもの

少し私に似ているかも、

そう思った。

.