8.名前 ページ8
「仲良いんですね」
「うん、ここの息子と仲良いから自然と、ね？」
「ね？」
お互いに首を傾けてそれを笑い合っている2人を見て思わず笑ってしまった。
「あ、笑った！」
え？
「ずっと暗い顔してたから心配してたの」
「そんなに暗かったですか？」
「うん、なんか崩れちゃいそうな感じ」
うそ、
そんな風に見えてたんだ
たしかに嫌なことはいっぱいあったけど
見も知らずの人にまでわかるくらいに暗かったんだ
「だけど笑ってもらえてよかった！
やっぱり笑顔が1番だよね」
たしかに彼は常に笑っている
何も悩みなんてないのだろうか、
うらやましい
「ところでなんだけどさ、名前、なんて言うの？」
「えーっと、み…」
私が言おうとした途端ちょっと待って！って両掌を前にしてストップのポーズをする。
自分から聞いてきたのに
ポカンとしてる私
おっちゃんも騒がしい奴だって笑ってる。
「次！次また偶然会ったら名前交換しよ？」
なんかまた会える気がする
いつもの笑顔でそう言ってくれた彼。
うん、私もなんだかまた会えそうな気がする。
そしてまたこんな私に元気を、笑顔を与えてくれる気がする。
「じゃあ、私も次会えるように願ってますね」
こんなこと考えたこともなかったけど
この人にならまた会いたい、
そう思った。
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作者名：aoihmwr | 作成日時：2017年10月25日 19時
