20.勝負 ページ20
「よしっ、」
いつもより30分早く家を出た。
相葉くんよりも早くに行ってコップを返すため。
昨日先に着いた方が勝ちねって勝負することにしたから。
朝が苦手な私なのに
今日はスッキリ起きれた。
朝起きた時もだる、って感じじゃなくてワクワクしていた。
.
___チーン
エレベーターが私の担当部屋の階につく。
私1人しか乗っていなかったそれを降りて部屋へ向かう。
一直線な廊下の手前から3番目のところが私の部屋。
その前に診察を待っている人のためのソファーがある。
「相葉くん、？」
そこに彼の影があった。
ソファーでゴロンと寝転がっていた彼は
少し眠たそうにニカッと笑う。
相「おはよ」
パアッと私までなんだか笑顔になる
寒いはずなのになんだかほっこり暖かい
こんな心地のよい朝、はじめて
相「昨日勝負って言ったから絶対勝ちたくてすんごく早く来たんだけどね？」
そう言って相葉くんが部屋のドアに手をかけてドアをスライドさせようとするけど
ガチャンって鳴って開かない。
「あ…、」
そうだ、忘れてた
鍵、私が持ってるから入れないんだった、
「ごめんなさい！寒かったでしょ？」
ガチャリと鍵を開けて中に入る。
あーこれこれって言って流し台のところで綺麗に干されてあるコップをとる。
「また飲みに行きますね」
相「うん！ありがとう。
ていうか今から飲みに来ない？
「え？」
「まだオープンじゃないけど店長もう来てるから多分大丈夫だと思うよ」
ちょっと飲みたいかもって
相葉くんともう少し一緒にいたいかもって
「じゃあ…、行こうかな」
コートから白衣に着替えて相葉くんの後に続いて部屋を出た。
.
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作者名：aoihmwr | 作成日時：2017年10月25日 19時
