16.カフェ ページ16
「っはあ〜、今日もこんな時間か、」
また夜の9時。
もう冬本番になってきていて体調を崩す人が多くなって患者さんが増える時期。
カルテの整理が終わらない。
「あともうちょっと、」
一回窓を開けて外の空気を吸って気分転換をする。
寒いけどこの感じがたまらなくて
頭をすっきりさせてくれるから好き。
___コンコン
急にドアをノックする音が聞こえた。
だれだろ、こんな時間に、
不審に思いながらもはーい、と言ってドアを開ける。
そしたら、
相「お疲れ様!」
Guérison
と書かれたエプロンをした相葉くんがいた。
「え?」
相「Aちゃんのとこ、まだ電気付いてたから作業してるのかなって思って来ちゃった」
はい、コーヒー
そう言って手に持っていたコーヒーを私にくれた。
Guérisonってなんか見覚えがある、
なんだっけ、
もらったコーヒーを見てみるとそこにもGuérisonの文字があった。
あ、そうだ
「下の…カフェ、?」
相「そう!正解!俺ね、そこで働いてるの。
で、よく配達するんだよね、主に翔くんだけど」
なるほど、
やっと繋がった
相葉くんが櫻井さんのところにいたのはこれだったんだ
ゴクリ
と一口飲む。
じわあっと冷えた体に熱が伝わる。
心地よくて幸せな気分
誰かに包み込まれているようなそんな気分
「おいしい、」
相「よかった〜、」
「ありがとう」
私が再び机に向かって椅子に座ったら相葉くんは私の背後にあるベッドの上に座る。
手を後ろについて部屋を見渡している。
本当に好気心旺盛な子供みたい、
「どうしたんですか?」
相「あんまり来たことないから珍しくって。
ね!もうちょっとここにいてもいい?」
あまりにも目を輝かせて言うもんだから私も断れなくていいよ、と一言だけ言って作業を再開した。
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作者名:aoihmwr | 作成日時:2017年10月25日 19時