Truthful Fate -M.A- (ページ14)

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14.帰り道ページ14

相「あー、おいしかったー。
翔くん、ありがとね！今度は俺おごるから！」

結局割り勘がめんどくさいって言って
櫻井さんが全部出してくれた。

「ありがとうございます。
本当においしかったです」

櫻「喜んでもらえてよかった」

「じゃあ、私はこっちなんで」

そう言って帰ろうとすると

櫻「送ってくよ」

俺が連れ出したわけだし、

って言ってくれた。

これが女の子扱い、ってやつかな

たしかになんかうれしい

…だけど、

「でも櫻井さんの家って真逆ですよね？
よく通る道だから大丈夫ですよ」

連れてきてくれたお店は病院と私の家の間くらいにあった。

私の家は病院から駅とは逆方向に歩いて20分くらいの場所にあって

櫻井さんの家へは電車に乗らないと帰れないくらいの距離

奢ってもらって

遠回りさせて

さすがに悪いかなって

櫻「いや、でも」

「大丈夫です、本当に。
櫻井さんもあした早いでしょ？」

んーって考えてる櫻井さん。

すごく考えてくれてるんだなってそう思った。

そんなとき

相「翔くん、大丈夫だよ。
俺、この近くだしAちゃん送ってくよ」

さっきまで静かに私たちの会話を聞いていた相葉くんが口を開いた。

櫻井さんもそれを聞いて

相葉くんなら安心かな、じゃあお願い

って安心した様子で帰っていった。

じゃ、またあしたって足早に去っていった櫻井さん。

と、取り残された私たち。

相「俺らも帰ろっか！」

櫻井さんに手を振っていた相葉くんはくるんと方向転換をして私の家の方向に体を向けて歩き出す。

そのあとについて私も歩き出した。

コツコツと一歩踏み出すごとに歩幅が違うせいか差が開いてしまった相葉くんとの距離。

少し早歩きになってなんとか追いつく。

そしたらそれに気づいた相葉くんが

相「あ、ごめんね、」

って自然と私に歩幅を合わせてくれた。

隣で歩く相葉くんはずっとしゃべり続けていて。

私は相づちをうっているだけなのになんだか楽しい。

この時間がずっと続いたらいいのに

ずっと隣で話していてくれたらいいのに

こんなにも家までの道のりが短かったのは初めて。

こんな気持ちになったのも、初めて。

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