＊一歩一歩2＊ ページ30
｢わぁっ/// びっくりした·····｣
赤葦 ｢·····もっと触れても良いんですよ？｣
そう言ってズイっと距離を縮めてくる。
｢あ、赤葦君 距離がちかい····///｣
お互いの距離が5cm程に縮まり、焦っていると
赤葦 ｢·····体調も万全じゃないですし、今日はこのくらいにしておきましょう｣
とピタッと止まる。
｢〜っ///｣
私の反応を見てクス、と笑うと
もう一度熱を測りましょうかと体温計を差し出す。
――37.6度
赤葦 ｢まだ少し高いですね·····｣
｢でもさっきに比べたらだいぶ楽になったよ｣
赤葦 ｢それは良かったです。明日も熱が続くようなら、学校は休んだほうが良いですね·····｣
｢うーん····｣
赤葦 ｢熱があったらちゃんと、休んで下さいね？｣
｢は、はいっ｣
赤葦君の威圧感に敬語で返事をしてしまう。
その様子を見てふふ、と笑ってお返しですと
私の頭を優しく撫でる。
――これじゃあ、どっちが先輩なのか·····
そう思ってちら、と時計を見ると16時半を回っていた。
｢あっもうこんな時間·····赤葦君、私もう大丈夫だから部活に····｣
赤葦 ｢でもまだ熱がありますし、心配です。·｣
｢お昼に比べたらかなり体調は良くなったし、本当に大丈夫!｣
そう言うと赤葦君はじーっとくまなく私の事を見る。
｢？？｣
赤葦 ｢····今の大丈夫は、信用できる大丈夫ですね｣
｢うん! 大丈夫。 あの、今日は本当にありがとう。赤葦君にはいつも助けてもらってばっかりだね·····｣
赤葦 ｢俺がしたくてしているだけなので、気にしないでください。あと何かあったらいつでも連絡下さいね？｣
｢·····うん、何かあったら連絡するね｣
私達はゆっくりと1階に降り、玄関先で赤葦君を見送る
赤葦 ｢·····Aさんが向き合ってくれるの、俺待ってますから｣
真剣な表情で言う赤葦君。
｢···うん//｣
もう一度優しく私の頭を撫でて、学校へ戻って行った。
私は今日の出来事を繰り返し思い出して、
少しドキドキしていた。
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作者名：◎mire. | 作成日時：2021年8月20日 20時
