＊本当の気持ち2＊ ページ11
赤葦 ｢····木兎さんの話をする時のAさんのはにかんだ顔や笑顔が見たくて·····。｣
｢え、？｣
赤葦 ｢その表情が全部自分に向けられているようで·····俺の自己満足で傷つけてしまって、本当にすみませんでした····｣
｢な、んで····｣
予想外のことに固まってしまう。
赤葦 ｢Aさんの事が、好きです。｣
｢！｣
赤葦 ｢一目見た時から可愛い人だなと思っていました。そしてバレー部で過ごしていくうちに段々と恋愛感情に変わっていきました｡｣
――全然、気づかなかった。
赤葦 ｢俺じゃ、駄目ですか？····利用でも良いんです。木兎さんを忘れる為の。｣
｢ま、だ木兎のこと····それに、赤葦君を利用なんてできない····｣
――そう言った瞬間、クイッと引っ張られて
私は赤葦君の体の中に収まった。
｢あか、あしく·····｣
赤葦 ｢全部受け止めます。木兎さんを好きな気持ちも、吐き出したくなるような気持ちも·····全部。俺の事利用して下さい、付き合って下さい·····｣
ギュッと抱きしめながら話してくれる赤葦君。
｢·····っ｣
――そんなに優しい声色で言われると、すがりたくなっちゃうよ·····
泣きすぎてぼーっとする頭で考える。
しんどい、つらい、かなしい。
｢····わす、れ、たい｣
赤葦 ｢？｣
｢木兎を好きな気持ち、忘れさせて·····｣
赤葦 ｢····はい。｣
赤葦君は更にギュッと私を抱きしめて
しばらくそのまま過ごした。
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作者名：◎mire. | 作成日時：2021年8月20日 20時
