おたくかっぷる。【茅ヶ崎至】

lv2 ページ3

｢ん〜、なっちゅり〜でいっか｣


今日はオフ会の日曜です。たるちの美女っぷりを見てやろうじゃない。

会社に行く時より少し濃いめにメイクをし、髪の毛を綺麗に整える。

自分の持ってる服で一番おしゃれな服を着て、よし、完璧。


ここで普通の女子なら私服を撮ってイン〇タに載せるだろうがヲタクに時間はねえ。

体力あるうちは必死にレベル上げだ馬鹿野郎。




『改札出口のとこ着いた』

『KAIくんと合流した〜！』

と、まんちゃんとKAIさんから続けてDMが来ていた。

『私はもうひと駅』

そう伝えてスマホを閉じる。



…待て、この人のやばさ尋常じゃない。

日曜のお昼近くにはたくさんの人がいた。そりゃそうだわ。


改札口どこやねん…まずマップマップ……

あ、あった！


…


私ゲーム内でたるちに誘導してもらってたからクソほど読めないやばい…！


思わずスマホを手に取る。とてつもない速さで文字を打って送信。タイピングならまかせろ。

『ごめん改札口近くにはいるんだけど盛大に迷ってる』


しかし返信は来ない。

……あの2人絶対スマホ見てないだろ？！？！


『今改札でた、どこにいる？』

個人のDMでたるちからそう来た。

やっぱたるちは神だなと思い、『マップの前』と返信した。

『じゃあ同じ場所にいると思う』

そう言われたので周りを見渡す。


…いや、隣には二次元から飛び出してきたようなイケメンしかいないんだけども…。

『いなくない？！』と打とうとしたとき、


｢…きさち、｣


｢ﾍｱｯ｣


｢ぶ、何その反応。ごめん、俺とのDMしてる画面見えちゃって。｣


ちょ、ちょっと待って。目の前の二次元から出てきたような人が私に話しかけてるえっしかもイケボすぎ待ってえっちょっと待って人違いじゃいやでもきさちってえっ待って


｢た、たるち…、さん…？｣


｢うん。なんでさん付けなの。｣


ふふ、と笑うたるち…さん。えっいや待ってえっお、おとこ？！


｢おおおおすなんですね…｣

いや何言ってんだ私。なんて言い方してんだ絶対変なやつだと思われたよもう終わったよ。拡散されて大炎上だよ


｢きさちってリアのが面白いんだね、2人待たせてるし、行こっか｣

華麗に素敵な笑顔でスルーされ…、って待って手掴まれてるああああ、心臓持たないああああ




俗に言う、しんどい。

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