26、しぐさ ページ26
楽しい一日はあっという間に過ぎた。
現在の時刻は午後9時で、今は帰りの電車の中。
「デートどーやった？」
「トテモ参考ニナリマシタ」
「そらよかったわ」
満足そうに笑って｢久々にこんなはしゃいだわ｣と私の肩に頭を落とす。
そんな姿にドキドキしたいのに、実は、ちょっとした問題が起きているのです。
｢なぁ治先輩｣
｢んー｣
適当な返事。
もしかしたら今聞くのは得策ではないのかもしれない。
(ここまでしてちょっとも伝わっていないなんて)
そんなことはないと信じたい。
だって、勇気をだしてデートに誘って、手も繋いで、可愛いとか言ってもらって
(これが、彼氏できたとき用のデート練習なんて勘違いある....？)
本人に聞いたわけではないのだが、なんとなく気持ち的にズレが目立ったデート後半。
不安に思って｢彼氏とデートってこんな感じなんかなぁー｣といってみたら返ってきたのは「せやなぁ」だけ。
(妹が色気づいてきたくらいにしか思わなくても不思議ではないけど....)
そもそも私だってサム兄のことが好きだと気づいたのは中学二年のときだった。
それまではノリのいいちょっと憧れのお兄ちゃんって感じだったから、きっかけでもない限り難しいのかもしれない。
いや、そのきっかけをつくりにデートにきたのだけれども。
似たような悩みを何度も何度も繰り返して、その度に行動に出てきた。
動かなきゃ、なにも得られない！
｢私のどこが、女らしくなったと思う？｣
｢....服？｣
だ、だめだ＿＿＿＿＿＿＿＿＿！！
けっこう頑張ったのに、やっぱりあんま伝わっていなかった。
ううん。今日、女の子扱いしてもらったから、そこは進展なのかもしれない。
デートとしては満点だけど、問題はそれが今日1日限定だということ。
肩に重みを感じながらため息をつきたいのをぐっと堪える。
明日からは元通り。
髪をいじっても可愛いって言ってくれないし、手を繋いでもくれないし、私に食べ物をわけてくれることもない。
さて、明日からまたどうやってアタックをするか。
考えなくてはいけないらしい。
ブブッとポケットの中のスマホが揺れた。
お父さんからはやく帰れ、という催促だろうか。
起こさないようにそっとスマホを取り出して画面をみると、ツム兄からだった。
『一大事や』
それだけ。
はて。
なにが？
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ナノナイ(プロフ) - かまたまうどんさん» えぇーめっちゃ嬉しいです！わかりみ深すぎて海に潜れそう！更新頑張ります〜！ (2019年11月26日 20時) (
レス) id: ea8486643a (このIDを非表示/違反報告)
かまたまうどん(プロフ) - 治かっこよすぎて涙出てました（）更新頑張ってください！ (2019年11月24日 22時) (レス) id: e43326c5cf (このIDを非表示/違反報告)
まゆ。(プロフ) - あころんさん» ありがとうございます！なるべくスムーズにできるよう頑張ります〜 (2019年10月28日 10時) (レス) id: 5be54ca62d (このIDを非表示/違反報告)
あころん - 面白いです！治くんかっこいいですよね。続き待ってます！ (2019年10月27日 16時) (レス) id: 8a4c6a89c1 (このIDを非表示/違反報告)
みぅな(プロフ) - まゆ。さん» イラスト完成いたしましたので、お時間あるときに見てくださればうれしいです！！作品の更新楽しみにまってます！！！ (2019年10月22日 19時) (レス) id: fe986c900c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナノナイ | 作成日時：2019年10月20日 21時
