そういう目でみてへん【宮治】

16、緊張しいなところ ページ16

先程まで上裸を妄想してたから若干の気まづさの中、通話部分をタップする。


｢も、もしもし｣

『サムやと思った？
残念侑やで〜』



ブチリ、と。
一思いに切った。
きっと今までの人生の中で1番がっかりした電話だった。


(もう絶対スマホ触らん
集中せな)


サム兄へのアプローチを考えるのに、誰が考えたかもわからない恋愛コラムをみたところで仕方ない。
そして、今の電話はそれを神様が叱ってくれた、ということにしよう。



｢うん。今ならなにか思いつく気がする｣


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｢よしっと｣
ただいま深夜1時。
ようやく書き終えた目標と、あとは今後のアプローチの仕方やらなんやらをみてとりあえずは満足。

お風呂は面倒くさいから明日の朝でいいや。



伸びをして、しまってあるパジャマに着替えて電気も消して。さぁ寝るかと布団についたところで、ふと、さっき電源をきったスマホを思い出す。


(もしかしたらなにかきてるかな)


暗がりの中、手探りでスマホをみつけだす。


｢あっ｣


【サム兄♡】からの通知が3件



(本人からだとええな)


ツム兄はお呼びでない。
というかなぜ自分のスマホで電話をかけずにわざわざサム兄のでかけてきたか謎。

さっきのがっかりを思い出しながらスマホの画面をスワイプさせて今度は安心。
ちゃんとサム兄からのメッセージだった。





『さっきの、家ついたか確認の電話』

『ツムとでかけてたんやって？』

『ちゃんと家までおくってもらえや
危ないやろ』




｢過保護か｣


しかめっ面でこの文をうつサム兄が頭に浮かんでおかしくなる。
ぎゃーぎゃーと言い争う双子が容易に想像できた。
きっと、｢大丈夫｣｢確認せい｣みたいなやりとりをしてわざわざ電話をかけてきてくれたのだろう。


｢はーい、と｣


絵文字付きで送信。
すぐに返事がくる。



『なぁ』

『ツムにもデート頼んだん？』

『俺だけじゃあかんの？』



｢えっ｣


思わぬ返しに胸が高鳴る。
これって世にいう【脈アリ】的な反応じゃないですか？

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