おむかえ【HM】 (ページ16)

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めざましテレビが終わってとくダネが始まった音が聞こえる。

｢北斗くん、朝だよ｣

『·····うわっおはよう』

うわっとは失礼な、と思ったけど、
北斗くん相当驚いている様子。

｢ご気分はどうですか？｣

とイタズラに聞いてみる。

『ごめん··········Aちゃん呼んだところまでで記憶が··········』

叱られた犬のようにしゅんとしている北斗くんは少しおもしろい。

｢ラーメン奢ってもらっちゃおうかな｣

『そんなんでいいの！？』

｢うん、まあね｣

北斗くんの新しい一面を見れたから、と言うか迷って辞めた。

2人でダイニングに移動して椅子に座る。

｢北斗くんお腹空いた？｣

『ペコペコ』

北斗くんはそう言いながら右手でお腹をさする。

キッチンに移動して冷蔵庫を開ける。
冷たい空気がふわっと顔に当たる。

お豆腐と卵くらいしかないな…

レンジでインスタントのご飯を温め、
鍋でお湯を沸かす。

味噌汁とだし巻き玉子を作ることにした。

味噌汁は出汁から取ると時間かかっちゃうから顆粒だしだけど、即席だから許してね。

『うわ～美味そう～～』

そういって出来上がった朝ごはんを見る北斗くんの目はキラキラしていて、また犬みたいだな、と思った。

『いただきます』

2人で手を合わせる。

お椀に両手を添えて味噌汁を飲む姿は上品そのものだ。

『うまっ！！』

まぁ顆粒だしですけどね、

でも二日酔いの味噌汁は美味しいよね。

『えっうま！！！！！』

今度はだし巻き玉子を食べたみたいだ。

『俺今までで食った卵焼きの中で1番上手いわこれ』

まあそれも顆粒だしですけど。笑

『焼き加減最高だよ』

｢私の料理褒めちぎって昨日の罪滅ぼし？笑｣

『ちげーよ！ほんとに美味いんだって』

北斗くんはそう言いながらパシンと軽く私の肩を叩く。

ドキッとする。

もしかして、私今めちゃくちゃ幸せかもしれない。

好きな人と自分が作った朝ご飯を一緒に食べている。

《思いを伝えなくても一緒に居れる時間》を噛み締める。

私は北斗くんが大好きだ、と自分の中で再確認する。