自分の存在意義【WEST】 (ページ37)

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# 37 ページ37

橙side

俺とジュンタはもともと高校の同級生やった

高校の時から仲良くていつも一緒に居た

俺ら2人は性格もタイプも真逆やった

ジュンタは頭はええが運動神経は悪かった

俺はジュンタとは逆で頭は悪いが運動神経は良かった

だから、周りのみんなに比べられることも

結構、いやかなりあった。

「ジュンタくんは頭いいのにアキトくん馬鹿だよねww」

「なんであんな逆の性格した2人が一緒に居んねやろw」

そんなこと言われ続けても

俺もジュンタも離れることはせえへんかった。

それはお互いの出来ないところを

お互いでカバーしてたからや

俺は勉強出来へんからジュンタに教えて貰って

ジュンタは運動出来へんから俺が教えてって

いつもそうやって助け合ってきた

俺とジュンタがこの業界に入ったのは、

あの“事件”がきっかけやった。

ジュンタの家庭は金持ちで総合病院の息子やった

それに比べて俺はごく普通の一般家庭やった

初めはジュンタに釣り合わへんって思ってたけど

黄「金持ちだろうが一般家庭だろうが俺は俺や。俺がアキトと友達になりたいって思ったから友達になったんや。」

そう言ってくれた。

ジュンタは将来医者になりたいらしく

毎日勉強に励んでいた

俺は将来なんて考えてもへんくて

何もしてへんかった

そんなある日、ジュンタから衝撃のことを言われた

黄「実は俺、“人殺した”ことあんねん。」

橙「は？……ど、どゆことや」

橙「中学ん時な、同級生にいじめられてて殺してしまってん。それのことを親に言ったら権力使って無かったことにしたんやけど」

驚きやった。

あのジュンタが“人を殺す”なんて。

黄「俺、医者になりたいって前に言ったやろ？」

橙「お、おん」

黄「それ、嘘やねん。親に無理やり医者になれって言われて仕方なく医者になることになったんや。」

橙「そ、そうやったんや。」

黄「それでな、アキト俺と一緒に逃げへんか？」

橙「え？逃げるってどこに」

黄「俺が医者になっても絶対にいつか俺が人を殺したことがバレてまう。なら、もう人殺すことをしてまえばええんや！って」

橙「え、ちょ、ちょっと待てって！」

橙「は？人殺す？！犯罪やで！そんなことしてどないすんねん！」

俺は初めは必死に止めた。