高校時代の雨宮ちゃん ページ8
その日はAが仕事が早く終わったらしく、探偵社の医務室で与謝野女医と話していた。現在、10時。
しばらくして与謝野女医だけ出てきた。
与謝野女医はお茶を入れに給湯室に行った。
だが、すぐにAが出てきた。でも少しだけ様子がおかしい。服装もパジャマだ。
A「・・・・・・何処?此処。」
Aのその一言に場の空気が凍った。敦が近寄り
「Aさんどうしたんですか?そんな変な事言って」
と言うと、
「あなた誰?なんで私を知っているの?此処は何処?なんで私はここにいるの?」
と混乱したように敦に問いかける。
与謝野女医が給湯室から出てくるとAが出ていた。
与謝野「A?どうしたんだい?」
と聞くとも震えたまま目に涙を浮かべているだけだった。
奥からバタバタと走ってくる音が聞こえた。国木田が寄ってくる。
Aは顔を上げると
「・・・独歩君?」
と言った。どうやら記憶喪失ではないようだ。
すると国木田はしゃがみ、Aと目を合わせ、こう言った。
「A、お前今何歳だ?最後に寝た部屋は何処だ?」
と聞く。周りが何のことか分からないでいるとAは
「え?・・・今、16歳。最後に寝た部屋は私の部屋だけど・・・」
と言う。
つまりはこういう事だ。何らかの影響で16歳のAと22歳のAが入れ替わったということだ。
16歳のAということは暗い学生時代のAだ。
だからこんなにもオドオドしている。
すぐに乱歩さんが超推理をして分かった。
今、Aには敦と鏡花と賢治がついている。未だオドオドした様子でぎこちない。服装は医務室にあった服を借りている。
国木田の方をチラチラと見ながらも話している。
ナオミが国木田に近づき、
「Aさんなんであんなふうなんですの?」
と聞く。
国木田は
「1番Aが苦しかった時だ。」
としか言わなかった。
その頃、22歳のAはと言うと察しが良いのかすぐに理解し、急いで学校の制服に着替えた。時間を見ると早朝の5時。ご飯を作り、お弁当を作る。すごく早いが、紙に「行ってきます」と書き家を出た。
この頃は周りは灰色だったなぁ。
そう呟きながら歩く。久々に行く学校。教室に入ると机は汚いんだろうな。刺さるような視線があるんだろうな。と考える。
Aの目には鮮やかな色で周りが写っている。
文字数の関係で次へ
23人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:歩実 | 作成日時:2016年11月21日 1時