響音 (ページ6)

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『田中さん、どうされましたか？』

俺は最近の体調のことを全部話した

「風邪っすよね、多分」

俺がそう言うと先生は真面目な顔で話し始めた

『風邪の症状に当てはまるものもありますが風邪とは言いきれないです、というか風邪では無い確率の方が高いです。
なので田中さんには一度検査を受けて頂きたいです。』

「…えっ」

正直想定外だった
ここで原因聞いて薬もらって帰れるものだと思ってたから

最悪じゃん、収録間に合わなさそうだななんて時計を見て考えながら検査用の服に着替える

「どんくらいで終わります？」

『いくつか受けて頂きたいので少なくとも1時間は…』

収録間に合わなそう、ごめんとだけジェシーに送り、俺は検査室に入った

そこから一気にいくつもの検査を受け結果1時間近くかかった

『検査結果分かりましたらまたお呼びしますね』

そう言われ俺は別の個室に案内される

ここからまた待たせられんのかよ…

なんて思っていたが案外すぐ呼ばれた。

『お待たせ致しました。こちらへどうぞ』

そう言って呼ばれた部屋にはベッドと画面、先生の机しかない至ってシンプルな作りの部屋

『そこに寝っ転がって貰えますか？』

「え、ここですか？」

『はい。そこのベッドです』

「あ、はい。ていうか先生、検査結果は…？」

『…これでわかると思います』

「え…？これって」

先生の手から出てきたのは何かの機械、？

「なんなんですか、これ」

『エコーというものです。少し冷たいですが我慢して下さいね』

そう言うと服が捲られた俺のお腹にヒヤッとした物があたる

しばらくして先生の動きが止まった
そこからというものずっと俺のお腹が映し出された画面とにらめっこしてる

この時間の冷や汗は尋常じゃないくらい。
俺、もしかして何かの病気なんじゃないかって

今まで生きてきて体調不良にならなすぎた分の逆襲…？
なんて変なことも考えた

「先生、俺何かの病気だったりしますか…」

怖かった、怖くて仕方がなかった
早く結果が知りたかった

すると先生はゆっくり体を俺の方に向けた

『田中さん、落ち着いて聞いて欲しいです。』

この時点で俺は大きな病気、死を覚悟した
俺にとってはこのセリフがドラマや映画で言うそういうシーンでしかなかったから

『ここ見えますか』

先生は画面の中央に少し影になっている部分を指さした

「はい、、なんですか」