幼馴染みが風呂借りに来た【knmc】

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剣持「……Aってそもそもにじさんじとしての僕を知ってるのか…？」



『にじさんじとしてのけんちゃん？………んー、あんまり知らない！だって私ずっと外いるからね！！』



ツイートし終わり、もう一度彼女の方を向くとまた絵を描いていた。
そんな姿を見ていたらぽろっと言葉が出てしまった。

僕は「にじさんじの剣持刀也」について聞いたけれど、やはりAはその僕を知らない。

なんたってAはアウトドアなのだ。家にたまに遊びに行っても七割留守にしている。
それに運動神経が良い。彼女は部活に属していないのだが、いつも各部活からスカウトを受けており、試合などの選手がいないときはどんなスポーツでもピンチヒッターを努めている。


なのでAはSNS、ネットにさえも一ミリも興味がない。そんな人間がVTuberを知っているか、と聞かれたら僕でもNOと答える。


僕的にはVTuberについて知ってもらい、自分が犯した重大さを知って欲しい。




剣持「…ちょーっとは見てみても良いんじゃないの。V業界の配信。」

『え〜？でも何時間、何千時間あるんでしょー？私体が勝手に動くから無理だよ！』

剣持「千はさすがにない。」




まあ確かにこんな落ち着きの「お」の字もないAには配信を見てもらうなんて無理な話なのだろうか。でも比較的僕の配信は長時間のものは少ない。(といっても一時間弱)なら僕から始めれば良いじゃないか。幼馴染みのことになればこいつも人一倍本気になってパソコンの前に座るだろう。


剣持「…よし。A、僕の配信を見るんだ！そして我らが作り上げたにじさんじの素晴らしさを知るんだな…！！」


完璧だ。これならAもVにハマってくれるに違いない。そう思って少しドヤ顔でAを見ると、そこにはAはいなかった。


剣持「は？」



あたりを見渡すと、そこには僕の母、Aのお母さんしかいなかった。



A母「刀也くん、Aなら「けんちゃんの部屋にこの絵かざっちゃお！」って二階に行ったわよ。」


剣持「アイツ……！！！」


人の話も聞かずに勝手に部屋に？！今すぐ向かってやる。そう思いながら僕は二階への足取りを早めた。


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