夜明けに詠う (ページ4)

今日:282 hit、昨日:1,287 hit、合計:127,514 hit

〇ページ4

.

KN side

ルアが居なくなって、もうすぐ1ヶ月が経つ。

1ヶ月経つと言うことは、俺の誕生日が来てしまうということで

嬉しいはずなのに、こんなにも気持ちがついてこない誕生日は初めてだ

テンとルチアは、ルアが居なくなってからというもの、あまりご飯を食べなくなってしまって。細くなった2人から、目を背けたくなった

127やDREAMのメンバーを見てないから分からないけど、あの人たちもきっと同じなんだろう

彼女は、俺たちに何も言わず姿を消してしまったから、みんな余計にルアの姿を求めてる

それは、俺も同じなんだけど

YY 「《哥哥！手紙来てるよ》」

「《手紙……？誰から？》」

YY 「《さあ？差出人の名前書かれてないからわかんないけど》」

ヤンヤンから受け取った手紙は、シンプルで、何も書かれていなかった

…………まさか、サセンからの手紙？

「《これ誰から受けとった？》」

YY 「《マネージャーに決まってんじゃん……》」

「《ああ、そっか、》」

だとしたら、本当に誰からの手紙なんだ……

便箋をゆっくり開けると、どこかで嗅いだことのある匂いが香ってきた

……これ、どこで嗅いだことがあるんだっけ、

中に入っている手紙を取り出すと、そこには一行だけ文字が書かれていた

【祝你生日快乐,人生路上平安吉祥,好运永远伴你身旁。(誕生日おめでとう。これからの人生が平穏で幸せで、ずっと幸運に見舞われますように。)】

丁寧に書かれていて、綺麗な文字

俺がこの文字を見間違えるわけが無い、俺と一緒に何度も何度も勉強していたから

それに、この香りは、ルアがよく使っていた香水だ

「《ヤンヤン！》」

YY 「《うお、なに、？》」

「《マネージャーからいつ受けとった？》」

YY 「《さっきだよ、ほんと…10分前とか？》」

「《わかった、ありがとう！》」

YY 「《ま、待って、どこ行くの？》」

「《どこって……マネージャーのところだよ》」

YY 「《手紙、いつ貰ったか知りたいの？……それ、誰から貰ったの？》」

怪訝そうな顔をしながら、ヤンヤンはそう聞いてきた

「《俺の大切な妹からだよ》」

YY 「《……？ルェイリー姐姐じゃなくて？》」

「《もう一人いるんだよ、お前はまだ会ったことない妹が》」

.