夜明けに詠う (ページ30)

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HC side

この広い駐車場には、俺たちがヌナを探す声だけが響いていて

ヒョンたちの顔を見れなかった。俺がヌナを見つけさえしなければ、ヒョンたちに淡い期待を抱かせずにすんだのに

ヌナは、もう俺達には会いたくないのかもしれないと、考えなくて良かったのに

重たい空気のまま控え室に戻ると、そこにはヌナのマネージャーが立っていた

MG 「……無理だったみたいね、」

俺たちの中にヌナが居ないと分かると、小さくため息をついて

TL 「…ごめんなさい、」

MG 「…実はヘチャンに、お願いがあるの」

「…え、？おれ？」

MG 「へチャンに、じゃなくて。……DREAMに、なんだけど。」

TY 「どうかしたんですか？」

MG 「29日のフィリピン公演に、ルアが来るわ。」

JO 「…！」

MG 「最後のチャンスかもしれない。……どんな手を使ってでも、そういうのはあれだけど。…捕まえて欲しいの。もう、みんなから逃げないように」

………でも、ヌナは、

JH 「ルアは、俺たちに会いたくないから帰ったんですよね？…無理に連れてくるようなこと、したくないです」

MG 「……ううん。ルアは、みんなに会いたがってる。」

TL 「そんなの、どうやって分かるんですか」

JW 「本当に会いたかったら、！！」

MG 「ルア、泣いてた。…コンサートを見て、泣いてたの。」

YT 「ッ、！ルア、が…？」

MG 「ルアは気づいてないかもしれないけど。小さい声でね、ごめんね、って。…そう言ってた。」

俺たちは、どうしてヌナを見つけられなかったんだろう

どうして、ヌナを引き止めて、抱きしめられなかったんだろう

謝らせたりなんかしたくなかった。俺たちがヌナに謝らないといけないのに

TY 「…ヌナが、ルアを引き止めてくれてたら、」

MG 「私には無理だった。…だから、みんなの力が必要なの」

「でも、…俺に、俺たちが出来るか、」

もし、ヌナがまた俺たちから離れていったら？今度こそ、立ち直りすら出来ない

MG 「みんなにしか出来ないの。…お願い。私はあの子を、失いたくない」

そんなの…、そんなの、マネヌナだけじゃないよ

「俺たちだって、ヌナを失いたくないです」

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