夜明けに詠う (ページ29)

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YT side

いつもは終わって欲しくないと思うアンコールも、今日だけは早く終わって欲しいと、そう思ってしまっていた

急いでステージから捌けると、メンバーも一緒になって走っているのが見えた

「ルアどこにいますか！？！」

早くルアを捕まえないと、ルアはすぐどこかに行ってしまう

会ったら何を話そう、ちゃんとご飯は食べてる？…いや、どこで何をしていたの？かな…こんな優しく聞ける余裕なんてないと思うけど

MG 「み、みんな！」

走っている俺たちの前から来たのは、額に汗を浮かべて息を切らしたルアのマネージャーだった

TY 「ど、うしました…？ルアは、」

MG 「早く追いかけて！！ごめん、と、止めれなかった」

そう言われた瞬間に俺たちは走り出した

ライブ終わりだと言うのに、体力はもうほとんど残っていないのに。みんながみんな、全力で走り出したんだ

この機会を逃したら、もうルアに会えない気がして

こんな時に限って、エレベーターは一番下の階で止まってた

TY 「ルアが乗ってたんじゃ、？」

JH 「…階段、……階段で行こう！！」

すぐそばにあった非常階段を、走って下った

途中何度か足を踏み外しそうになったけど、ギリギリの所で手すりに助けられて。

MK 「ルア！！」

駐車場に一番最初に着いたマークは、ルアの名前を叫んだ

この広い駐車場で、ルアを探せって言うのか…

TL 「ルア…」

諦めちゃダメだ。ルアと話さないと、ルアが何を思っているのか、俺たちは知らなきゃいけなかったのに

俺たちは、間に合わなかった

ルアはもう、俺たちから離れて行ってしまっていた

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