夜明けに詠う (ページ26)

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季節外れの雪ページ26

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JH side

衣装替えのために急いでステージから捌け、自分の名前が書かれた場所の前まで行って椅子に座った

全身が映る鏡の下にあるペットボトルの入ったカゴに目線をうつすと、この場には似合わない薄いピンクの便箋が目に入って。自然と口角が上がっているのに気がついて、慌てて口元を手で隠した

これは、ルアが俺の誕生日にくれた手紙だ

ドヨンイヒョンが手紙を貰ったと聞いてから、ずっと待ち遠しかった。ジャニヒョンに届いた時には、次は自分の番なのだと、心臓が跳ねた

自分の元に届いた時には、嬉しさの反面、少し寂しい気もした

何度読んでも飽きなかった。何度も何度も繰り返し読んでは、ちゃんとこの便箋の中に戻して。暇さえあれば、この手紙を読んでいた

今だってそうだ。ルアから力をもらいたい。そう思ってこの手紙をここまで持ってきた

手を伸ばして、もうすぐで手紙を取れるという時に、後ろから何度も肩を叩かれた

HC 「ヒョン、ヒョン！ヒョンヒョンヒョンヒョンヒョン！！！！」

「…どうしたの、」

HC 「ヒョンは見た？先生のこと！」

一瞬何を言ってるか分からなかったけど、すぐに思い出した。公演前に先生が言っていたことを

そういえば、2階にいるって…

ヘチャンの顔を見ると、まるで俺が見たとでも言ってほしそうな顔をしていた

「いや、見てない…けど、なんで？」

HC 「いたんだよ！」

「な、なにが」

HC 「ヌナだよ！！！」

ヘチャンからの話を聞きながら手紙に伸ばしていた手は、その場でぴたりと止まった

「…ルア、が、？」

HC 「ヒョン見てないの！？あ〜！もう！誰か見てないの！？」

「ど、どこにいるって、ルアは、どこに座ってるって？」

HC 「ステージから見て真正面の2階！先生の横に座ってるんだ、ヌナのマネージャーも隣にいたよ！あれはヌナだよ、絶対に、…絶対に、」

ヘチャンはメンバーみんなに言って回っているらしく、辺りは直ぐに騒がしくなった

YT 「誰か！ルアのこと呼び出してきてくれませんか！！」

JW 「俺たちが迎えに行く方がいいんじゃない、？今行ったらダメですか？」

MG 「ダメだ。もうはじまるぞ、ほら早く行け」

DY 「顔を見るだけでもダメですか？抱きしめるだけでも、」

MG 「………本当に、ルアがそれを望んでいると思うか？」

マネヒョンの言葉に、俺たちは何も言い返せなかった

ルアは、自らの意思で、俺らの傍から離れたんだから

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