夜明けに詠う (ページ21)

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マネ side

ML 「……大丈夫ですよ！皆さんがずっと待ち望んでいた、女が居ないNCTに1歩近づくんですから」

突然昔のことを思い出したのは、ルアが突拍子も無いことを言うからだろうか。直接的な表現ではなくても、NCTから抜けると言ったからだろうか

ルアの居ないNCTなど、考えたことも無かった。そんな考えを、しようとすら思わなかった。だってNCTはルアがいてこそのグループなのに

誰がそんなことを貴方に言ったの、そう言おうとしたけれど

ミラー越しに映ったルアは、全てを諦めたかのように、悲しそうに笑っていた

私はルアにこんな顔をさせたかった訳じゃない、あのキラキラした笑顔を見たいだけなのに

どこで間違ってしまったんだろう、何が彼女にそう思わせてしまったんだろう

考えようとしたって、脳がそれを拒否してくる。考えなくたって分かってしまうから

ボーイズグループの紅一点としてデビューしたその日から、ルアの身にいろいろなことが起きすぎていた

アイドルを辞めてしまいたいと思うには、充分すぎる理由で

でも私はまだ…、まだ、ルアの輝く姿を見ていたい。ステージの上に立つルアを、ずっとずっと、見ていたいんだ

横を見ると、オッパは悔しそうな顔をしていた

…良かった。私だけじゃない。きっと、諦めているのはルアだけだ

私たちにはまだチャンスが残ってる。…大丈夫、ルアを取り戻すことが出来るはず

それでも、……ルアを取り戻すことが出来なかったとしたら、？

ルアが、普通の女の子に戻りたかったとしたら

……わたしは、ルアを止めることが出来るのだろうか

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