夜明けに詠う (ページ20)

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あなたという魔法ページ20

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マネ side

彼女は、必ずトップアイドルになる

オーディションでルアを見つけた時、代表はそう私に言ってのけた。初めから彼女のことを待っていたかのように、まるでここに来るのが必然だとでも言うように

何を言ってるのやら。まだ入社してすらない、ましてやオーディションすら受けていないのにと、当時の私は代表の言葉を軽く聞き流していた

まだ10歳の幼い少女だった。そんな少女が、沢山の大人を一瞬にして惚れさせたと気づいたのは、見かける会社の人々が、何度も彼女のオーディションの動画を繰り返し見ているということに気づいてからだった

とはいえ、私もその沢山の大人の内の一人だった

あの小さな体から出ているとは思えない、力強くも透き通った美しい歌声が頭から離れなくて

天性の才能だと思った。彼女を手放したら、必ず後悔すると

数ヶ月後、彼女は韓国にやって来た

ML 「雪白ルアです、宜しくお願いします」

空港に彼女を迎えに行った時、探さなくてもすぐどこに居るかわかった。遠くから見ると、彼女のスタイルの良さは一際目立っていたから

MG 「よろしくね、ルア」

それに加え、整った顔ときた。トップアイドルになる、この言葉に嘘は無いかもしれない

この子が練習生の注目の的になるのは時間の問題だった

美しい歌声、整った顔、抜群なスタイル。そして、飛び抜けたダンススキル。注目されないわけが無かった

会社は、この子をいち早くデビューさせようと必死だった。

SMROOKIESとして初めに発表したのは、彼女の存在を世に知らしめるためだ。彼女は、SMエンターテインメントのものだと。他の会社には絶対に譲らない、渡さないと

そして、私たちは新しいガールズグループをデビューさせるプロジェクトを立てていた。もちろん、デビューさせるのはルアだ

だけど彼女は、ガールズグループとしてデビューすることは無かった

毎日ルアのキラキラ輝いた笑顔を見ていた

どれだけ練習が辛くても、ルアはただ踏ん張って、デビューするために頑張っていた。弱音もはかず、私を見ると嬉しそうに笑っていた

ジュヒョンもスルギもスンワンもスヨンも、ルアとデビューすることを待ち望みにしていたのに

デビュー出来ないと知った時、ルアはどんな気持ちだっただろうか

その時からだろうか、ルアの目から光が無くなっていったのは。ルアが自分よりも周りの人を大切にするようになったのは

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