夜明けに詠う (ページ14)

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SM 「とても良かったよ！」

「ありがとうございます、」

SM 「これはルアが作った歌だと、伝えてもいいかい？」

「……はい、」

SM 「分かった。また連絡するよ、ありがとう」

オッパ達がカムバックすると聞いたのは、数週間前だった

ずっと前からオッパたちの為にと作っていた曲がまだ眠っているのを思い出して、先生に聞いてみて欲しいと連絡したのを忘れていた

……オッパ達も、気に入ってくれるといいな、なんて

辞めると決めたはずなのに

未練がましく、私はまだみんなのことを考えてる

戻りたくないわけじゃない。そんなの、戻りたいに決まってる

何より、シズニにだって会いたい

だけど、そう考える度に、あの事故のことを思い出してしまう

「あー、やめだやめ、考えるのやめよ、」

もう、あの日のことは思い出したくない

はやく、忘れたい

部屋から出てリビングに行くと、ママが夜ご飯を作ってくれていた

om 「今日はね〜ルアの好きなオムライスだよ！早く食べよ！」

そう言って、ママは嬉しそうに私に笑いかけた

「…うん！手伝うよ、」

アイドルじゃなくて、ずっとママ達と過ごせていたら

どれだけ幸せだったんだろう

「パパー！ご飯できたよー！」

普通の女の子に戻るのも、悪くないよ

パン屋さんで仕事して、夕方には家に帰ってきて

夜ご飯をちゃんと食べれて、沢山眠れる

睡眠時間は短いし、夜中まで仕事があるし、ご飯も食べれない時があるアイドルよりもずっといい生活ができる

悪くない、そう自分に言い聞かせても

思い出すのは、大好きなメンバーと大好きなシズニの顔だった

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