夜明けに詠う (ページ13)

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可愛いあの子の行先ページ13

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LU side

泣いちゃダメ、泣いちゃダメ、泣いちゃダメ

エラの部屋から私の部屋までの長くて短い廊下を、そうつぶやきながら早足で歩いた

あの子は何も悪くない、わざとじゃないんだから

急いで家に入ると、そのまま玄関に崩れ落ちた

「ッ、大丈夫、大丈夫、落ち着いて、私」

ルアからの手紙は、私がずっとずっと楽しみにしていたものだった

音信不通になって1ヶ月が経った時、あの子がメンバーの誕生日に手紙を送るようになった

クン哥とルーカス。2人の所にルアから手紙が届いたのを見て、次は自分の番なんだとずっとずっと期待していた

私の元には来なくてドヨンオッパには届いた時、本当に気が気じゃなかった

たかが手紙、そう思うかもしれないけど。私にとっては、本当に本当に大事なものだった

「なくしちゃった、か、」

エラの申し訳なさそうな顔を見て、怒るに怒れなかった

自分から私に渡すと言っておきながら、失くしてしまうなんて。無責任にも程があるって、そう言いたかったのに

ヤンヤン 🐑姐姐、どうだった?手紙貰えた?

ヤンヤンからのメッセージに、返事ができる気力は残ってなくて、既読をつけたままベッドに足を進めた

既読を付けたことに気づいたのかヤンヤンから何度も電話がかかってきたけど、全て無視して電源を落としてしまった

気持ちを落ち着かせるためにも、今は一人でいたい

今誰かと話してしまったら、このどこにもぶつけれない気持ちを、ヤンヤンに思い切りぶつけてしまうかもしれない

優しいあの子を傷つけてしまうのは、絶対に避けたいから

そのままベッドに倒れ込むと、自然と瞼がとじていった

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