【ゲゲゲの謎】憎く、絆され、 (ページ10)

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幽霊族の大好物ページ10

「カエルの目玉か！！」

『兄さんが言うと洒落になりませんよ』

「そうだな、お前さんも目玉だよな」

「違うわい！幽霊族は蛙の目玉が大好物なんじゃ！それを鬼太郎にも食わせれば」

今にも外に飛び出して蛙の目玉を取ってこようとする兄さんを何とか片手で止める。それに不満そうにするが。

『兄さん、今あんたが行ったら蛙を獲るのではなく、兄さんが捕られてしまいますよ！』

「わしは鬼太郎を思って蛙を！！離せぇ！！」

何とか両手で包み込むように兄さんを捕まえるのだが、兄はじたばたと動き回るため両手でガシッと捕まえる。

『兄さん、蛙は貴方より大きいんですから。まず、蛙の目玉はもっと大きくなってからです、鬼太郎が』

「トホホ･･････」

項垂れて落ち込む兄さんを机の上に置くと、そのままうずくまってしまった。私はそれに、ため息はつきつつ、可哀想には思う。水木さんも片手で後頭部をかいていた。

「とりあえず、俺はミルクを買ってくるぞ」

『あっ、すみません。』

水木さんは煙草を1本取りだしてからガラッと扉を開けて出ていってしまった。その時でさえ兄さんは落ち込んでいた。

『兄さん、元気だしてください』

机の前に行き、正座して苦笑いを浮かべた。兄さんは未だに項垂れてはいる。

「わしは、Aも大好物じゃった蛙の目玉を、倅にも食べさせようと思うて･･････」

『お気持ちだけ受け取っておきますね』

「うぅ･･････」

『あ、』

その時、私はある大事なことを思い出した。兄さんも、ん？と言いながら顔を上げてこちらを見上げてきたのを視界の端で目視した。

『砂かけオババに、兄さん達が亡くなったことを伝えてしまったんです。でも、今こうして兄さんや、鬼太郎は生きてるわけで、、、』

「Aーーーーーーーーー！！！！！！！！！！」

『ｹﾞｯ』

私は顔をしかめる前に、とてつもなく大きな声で私の名を呼ぶ誰か。それは皆さんご察しの通り。私が玄関に走っていけば、白色のひらひらと舞う布のような物が目の前にチラつく。

それは静かに降りてきてから。

「Aッ！！！」

『うわぁっ』

誰かに抱きしめられた勢いで、変な声が出る。その声は紛れもなく───。

『おばば』

「お前さん！どうしたんじゃその目！！なぜそのような状態に！！」