【ゲゲゲの謎】憎く、絆され、 (ページ4)

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命は崩れるページ4

その後、兄さんは義姉さんを抱き抱えたあと、私が水木さんを抱えようとしたのだが兄さんは首を横に振る。

何故だと問いただそうにも、兄さんの悲しそうな表情にそうするしか無かったのだと思った。その代わり、警察が近寄ってくるサイレンの音に私たちはこの場を去る。

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それからしばらく経ってからのこと。

兄さんの身体は呪いのせいで完全に身体が溶ける病にかかってしまい、義姉さんは身体が弱くなってしまった。

私は右目を失ったが、四肢はある。それを使って二人の身の世話をすることにした。どこかひっそりと暮らしつつ。

そんな時に1人の男性が尋ねてきた。

「水木ｯ」

『水木さんッ』

「化け物！！！！」

そう言って走り去ってしまった。水木さんは無事のようだったが、私達の記憶を失ってしまったようだった。

きっと、あの事は彼にとって無意識のうちに忘れた方がいいと思ったのだろうか。それか、狂骨に襲われた際に頭を強くうちつけた事が影響したのだろうか。

私は、泣き崩れる兄さんを、義姉さんと共に慰めるしか無かった。水木さんが訪れてから数日が経ち、もう起き上がることも出来ない兄さんが言った。

「A･･････お前には、苦労をかけたなぁ」

『何を言ってるのさ兄さん、あんたがいるから、あたしがここまで生きてこれたんじゃないか。何も、悪くは無いよ』

「お前さんのこれからを見守れるかわからん、それでもよいか、」

『あたしはいいよ。あたしより、兄さんは義姉さんを守らなきゃ』

「そうだよあなた･･････弱音ばかりは良くないわよ。あたしはAとあなたと、この子がいれば、もう何も望まない」

義姉さんは私の背中に優しくてを置き、私と兄さんを優しく見つめてそう言った。その言葉は胸にジーンっとしてものすごく暖かった。

その翌日だった。

「うあぁっ･･････！あぁあああ"」

『兄さん！』

「あなた！！」

まるで溶岩に解けるように体の全てが溶けて亡くなってしまった。最後まで苦しみながら死んで行った兄に、私は泣くことすら出来なかった。義姉さんは嘆き悲しみ、私はその背中を抱きしめるようにさすることしかできなかった。

それからしばらくして、二人が私を置いて死んでしまった。