【ゲゲゲの謎】憎く、絆され、 (ページ2)

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血桜の下でページ2

そんな酷い……。

上を見上げた紅く綺麗な桜の木が、ねえさんの。

「義姉さん！！！！」

必死に水の中を探す。どれもご先祖さまの屍だけが残ってしまっている。水木さんも、兄さんも皆ボロボロになって探し回る。

そんな時に、時貞が何かをした時水の中から誰かが浮かび上がり、私も兄さんもそちらに走る。

「お前っ！！」

あの綺麗な顔とは程遠い、痛々しい顔になってしまっており、面影はほとんど残らずだった。兄さんはそれでも義姉さんを愛おしそうにする中で、私は怒り心頭になっていた。

『おのれ時貞！！！！！』

「おぉ、怖い怖い、どうじゃ？わしの元に来んか？？」

『誰がお前のところにッ』

その隣で、兄さんが義姉さんの声を聞き、辺りがシーンっと静かになっていた時だった。その言葉を私は静かに聞いた。目を見開く。

私も水しぶきを上げながら座り込み、義姉さんの顔を涙をうかべ、口を歪ませながら見つめた。

お腹の中にッ……。

『義姉さん』

その後はあっという間だった。兄さんは義姉さんを水木さんに託し、背を向けた。水木さんは私の名を呼ぶが、そのまま義姉さんを抱えたまま走り去るのが見えた。

『兄さん、まさか』

「全ての代償と……恨みは……わしが引き受けなきゃならん」

『兄さんが引き受けて、全て納まったとしても！ｯ･･････兄さんはどうするのさ！！』

「さぁな･･････時の流れに身をまかせるまでじゃ」

『そんなｯ･･････義姉さんはっ！！ややこは！！！』

「Aっ……」

ハッとなって言葉を飲み込む。兄さんのお説教前の言葉と言うよりは、言うことを聞け、という時の兄としての圧。

背中を向けていた兄が振り向いた時、顔は穏やかだった。

「その為に、水木に全てを託したのじゃ」

待ってくれ、そんな。言葉が出てこない、だが私は。

『私はどうすればいいのｯ･･････兄さんがいなくなったら、私はっ』

「おいおい泣くでない･･････」

呆れたような、でも、優しそうに微笑みながら言う。

「Aはもう十分に強くなった。わしがいなくてももう、ひとりで力強く生きていけるだろう」

『兄さんｯ』

「早う行け」

『でもッ』

「早く行かぬか！！」

私は怒鳴られた勢いのまま、水木さんを追いかけることにした。涙が止まらぬまま。