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第104話─隠してた─ ページ9

私を見つめながら不安そうな顔をした。きっと、私がAをQのように座敷牢に入れると思ったのだろう。


太宰「判ったから、そんなに大きな声を出さないでくれ給え」


急な大きな声で私は目を細めた。Aは、ハッとする様に目を泳がして包帯に集中した。ずっと気になってること。



太宰「そんなに包帯巻くの上手だったっけ?」



普通、初めて巻くなら少し汚くなったりするのだが綺麗に巻いてくれるものだから、不思議に思った。包帯を巻くなんて滅多にないから。私以外はね。



話訊こえてないのか、態と訊こえてないフリをしているのか判らないが、私の話を訊こうとしてない。何も考えなしにAの左腕を掴んだ。今自分の左腕を巻かれているから空いている右手で掴んだのだ。




その瞬間、一瞬Aの表情が崩れた。痛みに少し耐えてるような顔。



Aの怪我は肩付近のはず。手首より上を掴んだんだが、何故。そんなに力を入れてない。



太宰「なんで顔歪ませたの?私そんなに力入れてないけど」



掴んだ拍子に少し服が捲れた。私は思わず、"其れ"に目を見開いた。Aが何かを感じとったのか私の目線を見て腕を見て、固まってる。




巻いていた包帯を私のお腹辺りに押付けて背を向けだした。その様子はまるで私に逃げるようだった。



太宰「ねえ!その傷何?」


あともう少しだった包帯を無視して立ち上がり出ていこうとするAの肩を掴んた。肩が震えていた。




「何でもない、敵に引っ掻かれただけ」



太宰「それならそう云えば良いのになんで隠すように出ていこうとしたの」


此方を向こうとしない。其れが気に食わず私は無理矢理此方に向かせた。



太宰「その顔の傷!」



前髪が長くて見えなかったけど、髪の隙間から覗いた腫れた頬や昔に付けられたような傷。腕を捲ろうとしたけど必死に抵抗してきた。



「やめてよ!っ離して!!」


抵抗して上げてた声がだんだん震えていた。そして、捲った時に腕全体を覆うような赤い線の数。そして、紫の蚯蚓脹れ(みみずばれ)の様な切り傷。



そして、赤紫色の痣。


太宰「何、これ・・・・・・誰にやられたの?中也?」


「違うっ、中也兄さんじゃない・・・」


太宰「じゃあ、何、これは?」

第105話─飴と鞭─→←第103話─欠乏の愛情─



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華紅薇(プロフ) - 麗さん» コメントありがとうございます!そんな風に言っていただけるとすごく嬉しいです!この話も後編に移りますのでそちらの話もよろしくお願いします!読んで下さりありがとうございます! (2021年10月20日 11時) (レス) id: b469182880 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - この小説本当にめちゃくちゃ大好きです!そして今めちゃくちゃ続きが気になってます、!!なんかキリが悪い所でのコメントですが、応援していることを伝えたかっただけです!これからも楽しく読ませていただきます! (2021年10月20日 2時) (レス) @page50 id: b375adba0d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:魚Aya | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/maasasr/  
作成日時:2021年9月29日 12時

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